ひかり味噌「CRAFT MISO 生糀」発売、「フルーティーでジューシー」みその新ジャンル“クラフトみそ”/秋冬新製品2022

「CRAFT MISO 生糀」「味噌ヌーボー初熟(はつなり)」(ひかり味噌)
ひかり味噌は9月1日、秋冬の新製品として、みその新ジャンル「クラフトみそ」という切り口から、“フレッシュでフルーティーな味わいとジューシーな食感”の「CRAFT MISO 生糀」を発売する。

また、ヒット商品となっている「味噌屋のまかないみそ汁」シリーズから新フレーバー「蔵出し寒熟白つぶみそ」をリリース。さらに、2021年に話題を呼んだ「味噌ヌーボー初熟(はつなり)」を2022年も数量・期間限定で10月1日から発売する。

7月14日に開かれた新製品発表会では、新商品概要の説明の前に、林善博社長が業績推移や今後の事業展開について説明した。

ひかり味噌 林善博社長

ひかり味噌 林善博社長

ひかり味噌の2021年9月決算は売上高169億円だったが、2022年9月見込みは前期比5.0%増の178億円となった。また、みその出荷量では2021年9月決算で4万2,000t、2022年9月見込みでは前期比4.0%増の4万3,500tとした。
 
これに対し林社長は、「ここ4年ほど、みその出荷量の上昇率よりも、売上高の上昇率の方が高い。これは、計画的により付加価値の高い商品に切り替えていった結果である」と、同社の狙いだったことを明かした。
 
激動する環境変化に対しては、「大豆を筆頭に、穀物、燃料コストがかなりの勢いで上昇している。気候変動では、毎年何かが起きている。例えば昨年は、米どころのカルフォルニアは大干ばつとなり、輸入米が大きく上がった。わかめでは中国産が大きなサプライヤーだが、海水温度が上昇したことで、種付けが遅れ、価格が上昇している。コンビニで一番売れているみそ汁はしじみのみそ汁だが、中国ではしじみが枯渇してきており、今後はインド産にシフトしていくだろう。結局毎年こうしたわれわれがどうやっても制御できない出来事が起きている。加えて、物流が大混乱となっている。昨年から今年の初めまではコンテナを予約しようとしても、確保できなかった。海上コンテナの運賃は一昨年に比べて2倍となっており、この状況は来年の春まで続くと見ている。また、歴史的な円安が原料高をさらに悪化させている」とし、みそ市場を取り巻く環境への認識を示した。
 
〈新熟成庫「未来蔵MIRAIZO」、全自動搬送実現、新たに3,000tのみそ貯蔵が可能に〉
ひかり味噌が掲げる成長戦略に対しては、「現状のみその売上高構成比は36%、残り64%が即席みそ汁などの加工食品となっている。昨年以来、新工場建設と同期化し、われわれの本当の使命は何かと考えた時に、圧倒的にみそそのものであると再認識した。付加価値型のみそを中心にラインアップを充実し、量的にスケールアップを図っていく。ただし、基本はどのような商品を製造、販売するにしても、お客様に対してお値打ち価格でなければならない」とした。
 
また、海外市場の開拓では、「コロナの2年半を通して、みその輸出シェアは大きく伸びた。現状でいうと、全世界のみその輸出の30%以上はひかり味噌が担っている」とトップシェアであることを強調。
 
さらに、「グローバルな調達という観点では、仕入れについても、大豆、米、有機大豆、有機米、その他調味料関係の取引先を増やす。供給国を増やすことを昨年来からやっている。SDGsへの取り組みでは、ひかり味噌ならではの取り組みを実施している」とし、全体的な企業戦略について解説した。
 
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ひかり味噌の飯島グリーン工場に隣接する新たな味噌生産設備「未来蔵MIRAIZO」についても説明した。

飯島グリーン工場隣接の味噌生産設備「未来蔵MIRAIZO」(ひかり味噌)

飯島グリーン工場隣接の味噌生産設備「未来蔵MIRAIZO」(ひかり味噌)

「奥行きが51m、幅が21m、高さが21m、体積が2万4,000立方メートルとなっており、2tの発酵タンクが1,500本入っている。非常にコンパクトな建物とし、無人で全自動搬送を実現している。みその熟成庫は4棟目となる。初回から今に至るまで石川播磨重工と提携して、みその発酵タンクに特化した自動搬送装置の貯蔵設備を作ってもらい、これが最新のものとなっている。最新の断熱材を使って、なるべく建物の容積を小さくして、エネルギーのロスを防ぐ。最小限のエネルギーにするため、地元の中央アルプスの小さな水力発電を使った電気、信州グリーン電気を購入し、この熟成庫でも使っている。2月以降新しい設備を拡張させたが、それと同時に貯蔵量を増やして、安定供給に貢献する。みその品質向上、特に付加価値型のみそにこだわっているので、巨大な貯蔵庫が必要だということで、この熟成庫を建てた。3,000tの貯蔵能力ということは年間の出荷量で、1万t前後は可能となる。6~7年後にはもうひと棟建てたいという希望をもっている」とし、今後の展望も示した。
 
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「未来蔵MIRAIZO」航空写真(ひかり味噌)

「未来蔵MIRAIZO」航空写真(ひかり味噌)

〈大豆油糧日報2022年7月19日付〉