第28回全国納豆鑑評会、最優秀賞はミドリヤ「みのり納豆 ほのか」/全国納豆協同組合連合会

ミドリヤ「みのり納豆 ほのか」
ミドリヤ「みのり納豆 ほのか」

全国納豆協同組合連合会(納豆連)は11月22日、大阪市内のホテルで第28回全国納豆鑑評会を開催した。前年から7点増の187点が出品され、最優秀賞である農林水産大臣賞にミドリヤ(福島県)の「みのり納豆 ほのか」が選ばれた。同社の村上未奈氏は、「これまで5回入賞してきたが、最優秀賞を受賞したのは初めてで、悲願だった。社長の父と、工場長の母とともに頑張ってきて良かった」と語った。

大阪は納豆の年間消費量が46位と低く、「大阪府でイベントを開催することで興味を持って欲しかった」(野呂剛弘会長)と大阪での開催経緯を語る。

出品された納豆のうち、大阪府からは7点出品された。部門別では、「大粒・中粒部門」57点、「小粒・極小粒部門」65点、「アメリカ大豆部門」8点、「アメリカSAS(サステナブルソイビーン)部門」13点、「ひきわり部門」44点だった。審査員は16人が務めた。

審査の様子
審査の様子

「外観(見た目)」「香り」「食感(味を含む)」の3項目について、秀でたものを5点、劣るものを1点として出品納豆それぞれに点数がつけられ、審査員の合計点数上位から受賞納豆が決定した。外観では大豆表面の納豆菌の増殖状況や糸引きの状態、香りではアンモニア臭やコゲ臭、食感では豆の硬さ、うま味、苦味などの有無が評価の対象となった。

〈野呂会長「品質レベルは劇的に向上、全体的に底上げはしつつも味に差」〉

総評は、野呂会長と長谷川裕正顧問が述べた。野呂会長は「同点決勝が多く、審査時間が長引いた。それだけ実力が接近していたのではないか。誰が賞を獲っても不思議ではない鑑評会だった」と振り返った。長谷川顧問は品質面について触れ「、いずれも高品質で同点決勝が続き、各部門につき5人の審査員で決戦投票した。全体的に良いものが多かった。一方、欠点も散見された。審査員の短評も含めて結果の一覧表をお返しするので、それを参考に、次回の鑑評会や日々の商品の品質向上に役立てていただきたい」と述べた。

審査員の所感では、「大粒・中粒部門」を担当した野呂会長(野呂食品社長)は「良いものと悪いものの差がはっきり出た」とし、また「鑑評会を始めて約30年経つが、品質レベルは劇的に上がっている。元々おいしかった納豆が、さらにおいしくなった。ただ、全体的に底上げはしつつも味に差があった」と話した。

また、「小粒・極小粒部門」を担当した工藤茂雄副会長(太子食品工業社長)は、「どれも良い出来だが、フラットな(あっさりとした味わいの)納豆が多かった。うま味がぐっと出ている納豆に高得点を入れた。食感も重視した」と評した。

出品された187点の納豆と、関西納豆工業協同組合の加盟企業の納豆は、フードロス削減のため大学の食堂の運営などを行う常翔ウェルフェアに寄贈する。

次回の全国納豆鑑評会は、福島県郡山市での開催を予定している。

同日、「世界納豆まぜまぜ選手権」、「同のびのび選手権」が開催され、親子連れなど10組が参加した。成績上位チームには、納豆のマスコットキャラクターねば~る君のオリジナルグッズが贈られた。

受賞者の詳細
受賞者の詳細Screenshot

〈大豆油糧日報2024年11月26日付〉

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昭和33年(1958年)1月
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