ハナマルキ、「液体塩こうじ」使用のビールとジェラートを地元企業と共同開発

ハナマルキは6月27日、独自ブランド「ハナマルキ醸造 麹 研究室(ハナマルケン)」から、新商品2品を発売した。
地元・長野県の企業と共同で開発したもので、同社初のアルコール飲料となる「Koji&Lemon Ale(こうじ&レモンエール)」(350ml缶、税込800円)と、パウチタイプの「こうじジェラート」(100g、税込300円)。
いずれも看板商品「液体塩こうじ」の新たな可能性を引き出したもので、公式ECサイトおよび長野県伊那市の体験施設「みそ作り体験館」売店で販売する。
6月27日に丸の内ビルディングで開かれた新製品発表会では、ハナマルケンのキッチンカーも出店し、同月27~28日の2日間限定で新製品を提供した。
「こうじ&レモンエール」は、伊那市で独自のクラフトビールを醸造する「In a daze Brewing(イナデイズブルーイング)」との協業により誕生。皮ごとピューレにした南信州レモンと液体塩こうじを原材料に加えて発酵・熟成させた、アルコール度数4%の新感覚エール。「メイヤーレモンのさわやかな酸味と、液体塩こうじ由来のコクのあるうま味が重なり、軽やかな飲み口と、まろやかでふくよかな味わいを同時に楽しめる」と訴求する。
「こうじジェラート」は、駒ヶ根山麓の豊かな自然の中でつくられた、すずらん(長野県駒ヶ根市赤穂)の「すずらん牛乳」をベースにした商品だ。「ヨーグルトのうま味と風味を『液体塩こうじ』が引き立て、まるでクリームチーズのような濃厚でコクのある味わいが生まれた」と自信を見せる。
◆「液体塩こうじ」と素材がどんな化学反応を起こすか、他にはない味を作れた

ハナマルケンの國吉優子プロジェクトリーダーは、「『こうじ&レモンエール』はビールが苦手な人にも、ビールが好きな人にも満足していただける味わいになっている。『こうじジェラート』も『液体塩こうじ』を使用し、子どもにも手に取ってもらえるよう酸味を抑え、まろやかな味わいに仕上げた」と新製品の概要を説明。
また、同社初のジャンルに挑戦した狙いについて、「開発のテーマにしたのはシーンの創造で、どんな食べ方をしてもらいたいか、どんな所で食べてほしいかに焦点を当てた。夏休みの思い出をさらに残してもらいたいという思いから、新ジャンルへの挑戦に繋がった」と述べた。
新商品2品には「液体塩こうじ」が使用されているが、麹の力がどのように生かされているかについては、「『液体塩こうじ』と素材がどんな化学反応を起こすのか、わくわくして開発に取り組んだ。塩こうじの味わいがしっかりと生きていて、それぞれのジャンルで他にはない味わいを作り出すことができた」と他にはない商品であることを強調した。
「こうじ&レモンエール」の開発を担当した田井円佳氏は、「発酵食品であるビールと『液体塩こうじ』を掛け合わせたら非常にコクのあるサンプルが出来上がり、これは麹の可能性を広げる商品につながると確信した」とした。
「こうじジェラート」の開発を担当した林友菜氏は、「素材にとことんこだわった。乳製品に『液体塩こうじ』を加えることで、乳特有の酸味をまろやかにすることができた。ジェラートでありながら、まるでチーズのような味わいができた。牛乳は長野県で有名なすずらん牛乳を使用。フレッシュでコクのある商品に仕上げることができた」と開発ポイントを挙げた。
〈大豆油糧日報 7月1日付〉