大阪で秋季施策提案会、「エモいASV」提案、生活者への新しい価値提供-味の素

味の素大阪支社は2025年7月15日、「味の素グループ大阪2025年秋季施策提案会」を実施し、流通や量販店、業務用の得意先など約600人が来場した。会場では「こころを満たす食体験」として前回の春期施策提案会で紹介した「エモいASV」の提案ブースを引き続き設けた。4月に就任した岡村由紀子執行理事大阪支社長は、「今年度から本格的に『エモい』という言葉をキーワードに、買いたくなる仕掛けを若者の視点で考えた。そのうちのテーマが、昭和レトロや町中華の切り口だ」と説明した。4~5月に集中的に提案したという「レトロ純喫茶」は対象品が前年同期比108%伸長した。25年は昭和100年ということで秋季も継続していくという。「町中華」は120%伸長した。それぞれ会場で試食も用意した。

秋季の新商品として、味の素は18品、リニューアル50品を、グループ全体では56品、リニューアル76品を発売する。会場では、マヨネーズの特設ブースで「ピュアセレクト」ブランドを紹介し、「平飼いたまごのマヨネーズ」を含む6種類の食べ比べを行った。みそ汁をだしで選ぶ新提案として、新商品「だし屋のみそ汁」もアピールした。関西の食文化にあった合わせだし、いりこだしを生活者に届けていくとしている。
岡村支社長は、「この秋冬の新商品の開発テーマは、生活者への新しい価値提供だ。日常の食事、特別な食事、それぞれのニーズを満たすような商品を開発していきたい。特別な食事というのが必ずしもハレの日だけの文脈で特別なのではなく、例えば開放感、時には少しギルティな食べ方をしようというように、いつもと少し違うことを特別という風に捉え、それぞれの食シーンに合わせた商品の提案をしている」と説明した。
岡村支社長は一押し商品として、「平飼いたまごのマヨネーズ」を挙げた。「先ほどのコンセプトでは少し特別、いつもと違う商品になる」と推奨した。
第1四半期(4~6月)の販売状況について、「ほぼ前年並みだが、その中でも3月から野菜の価格がリーズナブルになったことで、メニュー用調味料の『Cook Do』や『同きょうの大皿』は2ケタ増で全体を引っ張っている」と話した。
〈Jオイル4~6月業務用は前年クリア、米高騰でそうめん・冷凍うどんにごま油を提案〉
J-オイルミルズの児玉仁志シニアゼネラルマネージャー大阪支社長兼西日本営業担当は4~6月の状況について、「ベーシックオイルの単価下落、オリーブ油の歴史的高騰で家庭用は前年を割っている。一方、業務用はインバウンドの回復、大阪・関西万博もあり、前年をクリアして推移している」とした。一押し商品として、「AJINOMOTO MCTオイル90g/320g」を挙げた。

米の高騰の影響について、「家庭用は米が高いので麺メニューを強化している。パスタにオリーブ油は当たり前で、そうめんにごま油、冷凍うどんを温めてごま油をかけるメニューの提案も強化している。業務用は、米が高く品質が良くないということで、炊飯用の『ごはんのための米油』がプチブームだ。品質の良くない米を少しでもおいしく食べてもらえるということで人気だ」と強調した。
今期の施策については、「オリーブ油が高騰したことで消費者が離れ、重量にして7割ほどになった。相場も下がってきたので、単価をアジャストし、離れた人を小容量でしっかりと支えて取り返しを図る。ベーシックオイルも良くないが、当社には『ダブルハーフ』という油ハネと使用量を半分にできる商品があり、しっかりスーパーに並べて新しいカテゴリとして伸ばしていきたい」と意気込みを述べた。
〈7月17日付 大豆油糧日報〉