明治が市販向け新商品発表会、「明治スプレッタブル 熟成チーズブレンド」新発売

「明治スプレッタブル 熟成チーズブレンド」
「明治スプレッタブル 熟成チーズブレンド」

明治は8月21日、明治ホールディングスビルで市販向け新商品発表会を開いた。マーガリンでは9月1日から「明治スプレッタブル 熟成チーズブレンド」(120g・希望小売価格は税込437円)を全国で新発売することを発表した。同日、「明治スプレッタブル」(130g・同437円)のパッケージデザインを刷新する。

冒頭、グローバルフードソリューション事業の道家民樹本部長があいさつし、「物価上昇に伴う生活防衛の意識の高まりから、節約志向が強まる傾向にあると捉えている。こうした環境変化の中、絶えず提案を行い続け、新たな市場を創造する商品開発や食品の提案を通じて、需要の拡大を目指したい」と述べた。

道家本部長(左)と林部長
道家本部長(左)と林部長

続いて、事業概況を同フローズン・食品事業の林聡史部長が説明した。
4~6月のデイリーファット(バター・マーガリン)市場は4%増となった。直近3年ぶりにバターは拡大傾向、マーガリンは横ばいとなった。バターは乳価改定による値上げで物量は厳しいが、金額は伸びているとした。バターの価格上昇によってマーガリンも好調だった。

「明治はバター・マーガリンともに前年を上回った。特にマーガリンは非常に大きく数字を伸ばした。そういう中で、パンと一緒に楽しむという基本コンセプトを大切した商品開発で、さまざまな人をマーガリンやバターに取り込んでいきたい」とまとめた。

◆パンに合うスプレッダブルを追求、3種類のチーズを配合、バターのおいしさ押し出す

「スプレッタブル」シリーズ
「スプレッタブル」シリーズ

新商品の「明治スプレッタブル 熟成チーズブレンド」は、バターをメーンに、チーズと菜種油、塩だけで作ったホイップタイプのスプレッドだ。ふんわりと軽い食感のため、冷蔵庫から出してすぐにパンに塗れる。バターの豊かなコクと、熟成チーズの奥深いうま味を楽しめる。

既存品は、「パンとの相性の良さが非常に評価されている」(同社)という。パッケージデザインは、「パンそのものをおいしく味わうためのスプレッド」というコンセプトのもと、朝の食卓をイメージできるデザインに刷新した。今回のデザイン変更で、パンに塗るという用途面を訴求し、トライアルに繋げる。

新商品の開発背景について、「パンに合うスプレッダブルをとことん追求しようと、食パン喫食時の調査をした。食パンを食べる際には、バターに加えて他の食材も組み合わせて食べる人が一定数いること、甘味系を除くとチーズ類が上位に来ることが分かった」という。そこで、パンをさらにおいしくするためのスプレッドとして、3種類のチーズを配合した。チェダーチーズとブルーチーズパウダー、焙煎ブルーチーズパウダーを使用している。ブルーチーズは同社独自の原料だ。

「明治チューブでチーズブレンド」(90g)との相違点について、「チューブでチーズ」は容量が少なく、価格も値ごろとなっている。バターが入っていない点も異なる。チーズのおいしさをアピールする商品だ。一方、新商品は、バターのおいしさを押し出しているとした。

「スプレッタブルは、海外ではメジャーだ。その枠組みの中で新しいのを作ることが難しかった。『明治スプレッタブル』をさらに発展させたときに、バターと相性が良く、当社で知見もあるチーズを選んだ」と振り返る。

また、「スプレッタブル」誕生の経緯も明かされた。「発売した2017年当時、トランス脂肪酸について報道され、マーガリンに不信感が持たれていた。その要因のひとつが、マーガリンはお客様に馴染みのない原料も使われていたことだった。そこで、誰でも分かる原料のみで作ることに挑戦した」のが始まりだったとする。

容器も「明治ブルガリアヨーグルト」の蓋を参考にゼロから開発した。何回も開け閉めする商品となるので、商品の劣化が課題となるためだとする。

〈大豆油糧日報 8月25日付〉

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