「朝たんぱく協会」設立発表会、朝にたん白質を摂る重要性を発信

このほど、朝にたん白質を積極的に摂取することの重要性を広く生活者に啓発することを目的に、朝たんぱく協会が設立され、9月3日に設立発表会が開かれた。特別ゲストには品川庄司の庄司智春さんと、若槻千夏さんを招いた。
また、跡見学園女子大学の石渡尚子教授、立命館大学の藤田聡教授、広島大学の田原優准教授によるプレゼンテーションも行われた。賛助会員はキッコーマンソイフーズ、日本テトラパック。賛同会員はasken、紀文食品、さとの雪食品、日清オイリオグループ、ひかり味噌、フジッコ、理研ビタミン。
冒頭、キッコーマンソイフーズマーケティング本部の亀井淳一マーケティング推進部長があいさつした。「当社は、たん白質摂取に豆乳を提案する活動を行っている。そうした中で、たん白質がこれだけ注目されているのに、意外に摂取量が減少していることや、特に朝、たん白質が足りていないという問題に直面した。調べれば調べるほど、朝にたん白質を摂る重要性、そして不足することのリスクが分かり、朝のたん白質不足は社会課題だと思った。『朝たんぱく』の重要性について、エビデンスに基づいた情報発信をしようという意図の元、朝たんぱく協会を設立することとなった」と設立の経緯を語った。

〈朝食時のたん白質摂取で筋肉の維持や満腹感持続、冷え改善効果が期待できる〉
次に、「朝たんぱくの重要性と朝たんぱく協会が行った意識調査の紹介」を、田原准教授が説明した。
日本人の1日平均たん白質摂取量は減少傾向にある。1980~90年代は1日80gだったのに対し、2022年は1日65gとなっている。しかし田原准教授によると、たん白質は健康維持に幅広く貢献する重要な栄養素だという。筋肉や骨、内臓、爪、髪などの体づくりに必要な栄養素となる。さらに、血液や酵素、ホルモンの元になること、免疫機能をサポートすること、体を動かすエネルギー源となることなどが挙げられた。
また、たん白質は各年代それぞれにとっても大切な栄養素だとした。未成年は成長のため、現役層は体型や健康な肌の維持に、高齢者はたん白質の利用効率が低下しフレイルなどのリスクがあるため一層の摂取が求められる。
一方、日本人は朝食時のたん白質摂取量が平均14.6g、昼食20.4g、夕食31.4gと、朝食時の摂取量が低めの傾向がみられる。筋肉は食後に合成され空腹時に分解されるという性質がある。夕食後から次の朝食まで絶食状態が続くことから、筋肉の維持には朝食に十分な量のたん白質を摂取することが重要となる。
加えて、朝にたん白質を摂取することで、満腹感が持続すること、体内時計を調節する効果があること、消費カロリーが高いことから体を温めて冷え改善効果が期待できるなどといったメリットがあるとした。
たん白質の摂取量の目標値は毎食20gとなる。朝たんぱく協会の調査によると、朝に十分な量のたん白質を摂取できている人が1割未満だった。同協会では、卵1個、納豆1パック、牛乳1杯、豆乳1杯、ヨーグルト(150g)、焼きちくわ2本、充填豆腐1パック(150g)などを朝食に取り入れることをオススメしている。
〈大豆油糧日報2025年9月9日付〉