納豆輸出の課題は発泡スチレンシート容器、海外向けの商品開発が今後の課題に【全容器】
納豆は国内で伸長しているだけでなく、輸出も好調だ。財務省によると、25年1~12月の納豆の輸出量は、前年比44%増の5,247tと伸長率が非常に高かった。
一方で、日本の納豆容器はPSP(発泡スチレンシート)容器が主流だが、埋め立てやリサイクルができないため、輸出にやや不向きといった側面もある。
納豆資材の専門商社である全容器によれば、輸出をさらに促進するためには、PSP容器に代わる新たな容器の提案や、海外向け商品の開発が必要になるという。
全容器に、海外輸出や国内における今後の課題について話を聞いた。
納豆のPSP容器は約50年前に完成形ができ、今日まで変わっていないという。約2gと軽量で、通気性は良好、耐熱かつ冷凍耐性を備える。1つあたり約2円50銭という価格の安さにおいても優位性がある。
その軽さから、脱プラスチックをすでに実現しており、環境に配慮した容器ともいえる。
しかし世界的には、PSP容器は環境にやさしくないと捉えられており、納豆を輸出する際の課題となっている。現に、カナダやオーストラリアでは、PSP容器入りの納豆を輸出することができない。
日本は世界最高水準の焼却技術を有しているため、PSP容器を焼却することができる。以前は燃やすとダイオキシンが出て環境に悪いというイメージがあったが、ポリエチレンを完全燃焼させれば、理論上は水とCO2、熱のみが発生するのだという。「燃料を入れずとも燃やせるという点においては、ゴミの中にPSP容器がある方が環境に良いともいえる」(全容器)と述べる。
一方、米国やヨーロッパでは、ゴミの処理は埋め立てやリサイクルが主流となっている。PSP容器は埋めても土に還らない。また、納豆のPSP容器は十分な洗浄が難しくリサイクルに向かない。「日本で使う分にはこれ以上ない容器だが、埋め立てやリサイクルが出来ないため世界では敬遠されている」という。
「もし、日本より国外の方が納豆の需要が高まったら、納豆は違う容器になるかもしれない。しかし、現在の工場はPSP容器に合わせた設備となっているため、その場合は新たな設備が必要になる」と話す。
海外向けの商品を開発することが、納豆輸出における今後の課題だと同社は述べる。
すでに、韓国の大手食品企業プルムウォンが納豆を製造している。プルムウォンでは、容器や納豆菌から自社で作って販売しているという。
全容器は、「PSP容器は世界標準ではないので、日本が現状にあぐらをかいていると危ない」と危惧する。
〈国内の消費者が納豆に求めるのは安さ、供給逼迫のため設備投資の必要性に迫られる〉
消費者が納豆容器に求めていることについて聞いた。「これまで、開封時に手が汚れにくいMizkanの『パキッ!とたれ』が開発されたほか、PSP容器の角で買い物袋が破れるのを防ぐために、角をまるくした容器などが登場してきた。しかし、『パキッ!とたれ』はからしを付けることができない。また、角がまるいPSP容器は、製造工程が変わるためコストがかかる。消費者の要望に応えた容器はあるものの、完璧なものはできない」とした。
商品面では、最も支持されるのは価格の安さだという。納豆は味わいや、たれのバラエティーの違いで勝負することになるが、「数量ベースで消費されているのは(比較的安価な)下段の商品だ」と言い、付加価値商品があまり求められない傾向にあるという。
また、納豆メーカーでは長年、さまざまな新商品を開発してきたが、定番化した商品は数少ない。「現状、納豆は売れているが、いつまで続くかは分からない。ニーズに応える商品や、SNSで反響があるような商品を開発しなくて
はならない」と述べる。
さらに、納豆市場の好調が続いていることから、納豆の製造だけでなく容器やたれ、からしの供給が逼迫しており、設備投資の必要に迫られていると指摘した。
〈大豆油糧日報 2026年4月6日付〉







