【全国味噌青年部会】秋の研修会開催、都城市に若手経営者集まる、懇親会や工場見学も

西京味噌社長の本田純也会長
西京味噌社長の本田純也会長

全国味噌青年部会は3日と4日、宮崎県都城市で研修会を開いた。全国から若手経営者が集まり、1日目には講演と懇親会が、2日目には工場見学などが行われた。

開催に先立ち、西京味噌(京都市上京区)社長の本田純也会長があいさつした。「私事ではあるが、当社では6月に決算があった。数字を報告しながら振り返ると、米や資材の高騰に加えて円安が進み、みそ業界は近年まれに見る厳しい経営環境だったように思う。そのような中、全国の皆さまにお集まりいただき、研修会を開く。ぜひここで学び、横のつながりを持って、業界全体がさらに発展していけたら」と呼びかけた。

次にホスト県として、ヤマエ食品工業(都城市)の江夏啓人社長が登壇した。「前回の徳島開催に匹敵する人数が集まり、安心している。本田会長から話があったように、みそ業界の環境は厳しくなってきているが、青年部はより交流を深めて、それぞれの強みを生かして、オールジャパンで、世界に臨めるような組織になるといい」と力を込めた。

〈ふるさと納税日本一の都城市・池田市長、全国のみそ蔵を巡る岩木氏が講演〉

続いて2人の外部講師による講演が行われた。まずは都城市の池田宜永市長が、結果を出す自治体経営について講演した。池田市長は自治体経営を、「地域の経営資源を最大限に活用し、市民の幸福と市の発展を図ること」と位置付ける。「皆さまと違う点として、われわれ行政には売上や利益といった概念がない」とした上で、「自治体は結果が出なくても潰れないが、その損失は市民に反映される。結果にコミットすることは極めて重要で、そのために必要なのは前段階としてコンセプトと戦略をしっかり練れるかどうか」と話した。

外部講師による講演が行われた
外部講師による講演が行われた

都城市はふるさと納税受入額で過去5回日本一に輝いた。池田市長は「私にとってふるさと納税は対外的PRツールに過ぎない」と言い切る。制度を導入した当時、県外の人は「みやこのじょう」と読めないなど知名度の低さが課題だった。池田市長はこれを何とか払拭したいとコンセプトと戦略を練った。まずは掴みを作ろうと、最初の2年間、返礼品は肉と焼酎に絞った。「他の業界から入れてくれと言われたが断った。その方がメッセージ性は伝わるから」とし、最短距離を目指したほうが結果につながるとの考えを述べた。

次に、実践料理研究家・みそ探訪家の岩木みさき氏が登壇した。岩木氏は 2016年から全国各地のみそ蔵を独自に訪れ、その数は 130以上に上る。主な活動はレシピ考案・撮影、2,000回以上の料理教室開催、メディア出演など。今年2月にはテレビ番組「マツコの知らない世界」の「味噌の世界」回に出演した。

岩木氏は約 400種類のみその麹歩合と塩分濃度を表にまとめている。それによれば、みその分類はおおよそ6つに分けられ、「スーパーの棚を見ると、色が薄くて甘いみそが求められていることが分かる」とした。一方、「業界で決められている味の表現は甘みそ・甘口みそ・辛口みその3つで、『甘い』の範囲が広いことにより、ギャップを感じているお客さんもいる。数字だけでは説明しにくい部分もあるが、お客さんへの伝え方や基準を改めて見直すのは、今だからこそ大事なのかなと感じている」と話した。

その後の懇親会では、親会である全国味噌工業協同組合連合会の清水悟専務理事があいさつした。「研修会には初めて伺ったが、率直な感想として講演が非常にためになった。7月末のデータでみその出荷量は前年から101.8%と増えている。ただしそれは全体としてであって、地域差はある。ここではいろいろな情報を共有し、見聞きしながら、自社に生かしていただければと思う」と話した。

2日目、一同は都城市にあるヤマエ食品工業と早川しょうゆみその工場を見学した。最後に、同じく都城市の霧島酒造が直営する複合施設「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン」を見学し、昼食をとった。

〈大豆油糧日報2026年9月9日付〉