日本マーガリン工業会が定時総会を開催、「工業会でできることを一致団結して進めていきたい」

城詰秀尊会長
城詰秀尊会長

日本マーガリン工業会は14日、2026年度定時総会を都内で開き、25年度事業報告や26年度事業計画などを承認した。

城詰秀尊会長(ADEKA社長、写真)は「直近では、中東情勢がわれわれの業界にもかなり深く影響を及ぼしている。油脂製品そのものだけでなく、輸送コストの上昇に加え、包材とそこに施すインク類といったものが、通常とはかなり変わった状況となっている。当工業会でできることを、一致団結して進めていきたい」と力を込めた。

26年度事業計画のうち、生産・流通に関する事項として、特に食品表示や公正な取引の推進などについては、消費者庁など行政機関や、マーガリン公正取引協議会と連携して進めていく。また、食品表示制度の見直しやコーデックス委員会などの動きなどを注視し、必要に応じて行政機関や食品産業センターなどとの連携に努めつつ、情報の共有や意見交換といった適切な対応を図る。

広報・宣伝に関する事項では、家庭用PR委員会で、「マーガリンの日」に係る諸事業を引き続き展開する。80周年記念事業については、記念誌を制作するとともに、27年5月12日に記念式典を実施予定だ。

〈コストと価値のバランスをどう伝えていくかがこれまで以上に重要に〉

懇親会では、城詰会長があいさつし、「ウクライナ情勢の長期化に加え、中東においても緊張が高まり、米国とイランの関係など、先行きの見通しが難しい状況が続いている。こうした国際情勢の変化は、ニュースの中の出来事にとどまらず、私どもの原材料価格やエネルギーコストという形で、非常に現実的に影響してくる」と懸念した。

「日本国内に目を向けると、インバウンド需要の回復や賃上げの動きなど、明るい話題も増えてきた。その一方で、物価上昇の影響もあり、消費者の目線は一層厳しくなっていると感じている。われわれも3回連続でベアをアップさせたが、これからどのようにインフレが続いていくのかと考えると、3年連続で上げたベアが意味のないことになるのでは、という危機感も経営者として感じている」と続けた。

その後、「『良いものは欲しい、でも価格は安いままで』、これは非常に正直で、健全な消費者意識だと思っている。食品業界として、その期待にしっかり応えていくとともに、コストと価値のバランスをどう伝えていくかが、これまで以上に重要だ。食用加工油脂業界においては、健康志向やサステナビリティ、プラントベース食品や冷凍食品の拡大など、新しい流れも着実に広がっている。振り返ってみると、トランス脂肪酸の低減など、当業界が長年積み重ねてきた取り組みは、今の時代のニーズにしっかりつながっていると感じている。言い換えれば、『地道にやってきたことが、ようやく評価され始めている』ということかもしれない」と述べた。

乾杯の挨拶は大森達司副会長(不二製油社長)が行った。「私も中東情勢が一番気になっている。弊社ではまだ供給が滞っている資材はないが、一部フィルム関係で、早いところで5月から3割アップなど、色々な値上げの要請が出ている。一番困るのは、一回の値上げで済むのか、いつまでかかるのかということだ。自社製品への価格転嫁は、いつから、どれくらいの額でさせていただいたらいいのか、非常に判断に迷うところだ。われわれ業界としては、供給責任を果たすことを最優先に対応してまいりたい」とした。中締めは筏純一副会長(リボン食品会長) が行った。

役員人事では、マリンフードの吉村直樹社長が関西支部長に就任した。在任期間は、27年の役員改選時まで。各委員会の管掌理事と委員長は次の通り決まった。

[管掌理事]△家庭用PR委員会=田川福彦常任理事(雪印メグミルク副社長)、そのほかは重任[委員長]△業務用PR委員会=飯岡宏之(月島食品工業営業本部営業企画部長)△資材委員会=沼崎貴志(太陽油脂SCM統括部長兼購買グループリーダー)△技術委員会=小玉博史(月島食品工業執行役員品質保証部長)、そのほかは重任

〈大豆油糧日報 2026年5月19日付〉

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