フードテック関連食品試食会、鈴木農水相「日本ならではの技術が勝ち筋に」【農水省】

鈴木憲和農林水産大臣
鈴木憲和農林水産大臣

農水省は6月22日、農水省本館の「あふ食堂」で、フードテック関連食品の試食会を開催した。鈴木憲和農林水産大臣、尾﨑正直内閣官房副長官、山下雄平農林水産副大臣、広瀬建農林水産大臣政務官のほか、各国の大使館関係者が試食した。出展企業は、ディーツフードプランニング、日本ハム、フェルメクテス、日清食品、Kinishの5社。

鈴木農林水産大臣が試食後に取材に応え、「どれも圧倒的においしい。植物由来の製品は味の壁を乗り越えるのが難しかった点もあるかと思うが大変おいしくいただいた。栄養面にも配慮して作られている。日本ならではの培われてきた技術を使って新しい食品が生み出されていることが、日本の勝ち筋になり得る分野だと思う。これから政府としても、フードテックの新規食品を、国内だけではなくて海外にもしっかりと売っていきたい。世界は人口が増え、たん白の需要が大変伸びてくる。その中で特に、新しい技術を使ったたん白質が、栄養素も含めて訴求することができれば大きいマーケットが広がっていくと考えている」と述べた。

コスト面に関しては「何をやるにしてもそれなりのマーケット規模があり、そこに向けて安定供給をして、結果として安定した価格で消費者に受け入れていただけるという循環を作らなければならない。ラボレベルでやればコストがかかる。いかにして消費者が受け入れ可能なコストにしていくか、国としても皆さんと一緒にどういったことができるか、設備投資も含めて後押しを今後さらにしていきたい」と語った。

〈新たん白質素材「FiTeiN」、納豆菌粉末食材「kin-pun」など新たなたん白源を紹介〉

出展企業のうち、ディーツフードプランニング(渋谷区恵比寿)は、こんにゃくとおからを掛け合わせたアップサイクルフード「Deats」を紹介した。同製品は、カツやエビチリ、ミートボール、明太子など、さまざまなメニューを再現できる。こんにゃく・おから由来のため、食物繊維が豊富で、カロリーや脂質を抑えられる。畜肉や魚介原料の置き換えに活用でき、コストや供給リスクの抑制に寄与できる。さらに、未利用資源となっているおからをアップサイクルすることで、食品ロス低減にも貢献する。「Deats」を使用したカツ丼は、ANAの機内食で採用されている。

ディーツフードプランニング「Deats」を使用したメニュー
ディーツフードプランニング「Deats」を使用したメニュー

日本ハムは、大豆を原料とした新たん白質素材「FiTeiN」(ファイテイン)を紹介した。繊維を複雑に絡ませる新素材特許製法を用いることで、牛肉に近い繊維のほぐれ感と弾力のある食感を再現した。すでに業務用で採用実績がある。鶏むね肉に相当するたん白質量が摂れ、100g当たりのたん白質量は24.3g、食物繊維は6.3g、鉄分は3.1mgを含む。低糖質かつヘルシーにたん白質が摂れると訴求する。

煮る、炒める、焼く、揚げる、レトルト調理といったさまざまな調理方法に適している。調理加熱後、冷めても食感の変化が少ないのも特徴だ。「肉の替わりではなく、肉には含まれない食物繊維が摂れる新しい素材として試してほしい」(同社)。当日はカレーや炒め物、串カツ、炒飯の試食を行った。

日本ハム「FiTeiN」メニュー例
日本ハム「FiTeiN」メニュー例

フェルメクテス(山形県鶴岡市)は、納豆菌粉末食材「kin-pun」を発酵性たん白質食品として活用する取り組みを進めている。「kin-pun」100g当たりたん白質を73.8g含む。試食会では「kin-pun」を練り込んだ麺と、動物性原料不使用のプラントベーススープを組み合わせたラーメンを提供した。麺に同製品を15%以上練り込み、通常の麺と比較してたん白質が約2倍摂れることを紹介した。

開発経緯については、世界的にたん白質が不足していく中で、高効率に生産できる方法を模索した結果、「kin-pun」に行きついたという。納豆菌粉末ではあるが、納豆由来の香りや粘りはほとんどない。うま味成分が多く、良好な風味・食感を添加できる。加えて腹持ちが良く、吸水性や保水力、剪断性に優れ、乳化作用がある。ドレッシングの乳化剤として使えるほか、パンやクッキーの練り込みなど、用途は幅広い。さらに、大豆かすや米ぬかなど、未利用資源を培地とした生産が可能で、アップサイクルな側面も持つ。

〈大豆油糧日報2026年6月30日付〉

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