【新社長就任インタビュー】マルマン・中田泰雄社長 テレビ放送が追い風に、最終工程の機械化で「国産生 減塩 20%」新規需要に応える
マルマンは6月22日、林隆仁氏に代わり、中田泰雄氏が代表取締役社長に就任した。同社の1~6月の売上金額は前年同期比2ケタ増で推移、中田社長は好調要因の一つとして、25年9月にMBS毎日放送の「サタプラ」で取り上げられたことを挙げる。番組内のコーナー「ひたすら試してランキング」で12種類のみそを5つの観点から評価した結果、同社の「国産生減塩 20% 500g」が1位となった。さらに、26年1月の放送では、25年下半期に登場した23カテゴリ273品の中で、1位を獲得した。
「国産生 減塩 20%」は、国産大豆・国産米・国産の塩を100%使用した、中甘口の無添加信州みそである。加熱処理をしていないため、発酵菌は生きたままの状態であり、日々発酵が続いておいしさが増していくという。20%減塩のすっきりした味わいが特徴で、麹歩合は米12に対して大豆が10の12割麹。

テレビ放送が追い風となり、3月まで出荷を制限していたが、8月に設備投資が完了し、大幅な増産が可能となる見込み。自動充てん機の導入やラベル貼りの機械化といった最終工程が効率化する予定だ。併せて休日や夜間帯を増員したことで、この秋冬の棚替えから、新規提案を再開する。足元のコスト環境については、米をはじめとする原材料はピークと比べて落ち着いたものの、包装資材の供給に不安が残る。値上げはある程度受け入れざるを得ないとしており、在庫が切れる可能性も視野に入れる。一時期、荷崩れ防止のためにパレットに巻くストレッチフィルムの在庫が少なくなった。最終製品が完成しても、トラックに乗せられない。当時はひもで縛るしかないと話していたという。直近の価格改定は25年4月に行ったが、今後についても慎重に検討していくとした。
〈中田社長「みそをカップに詰めて終わりではない」、経営理念の再共有に努める〉
中田泰雄新社長は、「国産生 減塩 20%」の開発担当者でもある。開発当時は、先代が開発した無添加「生みそ」が看板商品だった。中田社長は商品開発に携わる日々の中で、次の時代の商品を作らなければと考える。「自分たちが会社を受け継いだときに柱となる第二のみそを作りたい。『生みそ』が好調なうちに次の手を打たないと」と思い、17年に「国産生 減塩20%」を開発、20年に販売開始した。
発売から5年が経ち、テレビ番組で紹介された影響は、想像以上だったという。中田社長は、「社員のモチベーションが上がったのが嬉しかった。食べていただいた上での順位、つまり造り手への評価として喜んだ。特に工場の社員は、忙しくても誇りを持って働いていたよう思う」と振り返る。
「工場にいると、お客様の声はなかなか届かない。私たちの仕事はみそをカップに詰めて終わりではなく、その先にお客様がいるという感覚を大切にしたい。すぐに数字を求めるのではなく、まず先にみそを買って喜んでいただきたい」と語る。
中田社長は抱負として「経営理念の再共有」を挙げる。今一度、社員と経営理念を共有し、理念について議論する場も設けたいとした。経営理念を一つの判断基準と捉え、「これは経営理念に沿っていない、というように一人ひとりが考えることで、同じ方向を向けるようにしたい。世の中に合わせて変える部分と変えてはいけない部分を、見極めながら進めていく。経営理念は一つの変わらない軸として、定期的に社員と共有・議論したい」と力を込めた。
【プロフィール】中田泰雄(なかた・やすお)1977年10月1日生まれ。2000年東京農業大学農学部醸造学科卒業後、食品商社に入社。02年11月マルマン入社。東京営業所、製造部門、本社勤務などを経て取締役に就任。25年4月常務取締役、26年6月代表取締役社長に就任。
〈大豆油糧日報2026年8月5日付〉







