【日清オイリオグループ】中計「Value UpX」再始動、営業利益拡大と投下資本効率化でROIC向上

久野貴久社長
久野貴久社長

日清オイリオグループは19日、本社で26年3月期(25年度)の決算説明会を開催した

久野貴久社長(写真)は中期経営計画「Value UpX」初年度で、増収減益の着地となった25年度を振り返り、「成長けん引領域は堅調に実績を積み上げている」と、カカオ代替需要や化粧品市場の油脂需要の拡大を評価した。

一方で、「国内油脂・油糧事業は収益性と効率性における課題を改めて認識している」と総括した。26年度は中計の再始動の年と位置付け、「営業利益の拡大」と「投下資本の効率化」により、資本収益性(ROIC)の向上を図っていく。通期業績は増収増益を計画しており、「6月からの価格改定に一定期間内の実勢化を前提している」と説明した。中東情勢の影響による資材などのコストアップを20~30億円と試算した上で織り込んでいるという。

久野社長は中計「Value UpX」を振り返る中で、「脅威」として急激なコスト高騰の連鎖を挙げた。「課題」としては、収益性と効率性を挙げた。そのうち、収益性については、国内油脂・油糧事業における原料相場・物流コスト高騰やオイルバリューの上昇に対する販売価格への反映が追いつかず、収益が減少していることを挙げた。これに対して短期では、価格改定の完遂による利益回復を図っていく。

中期では、不確実な事業環境を前提として収益性の追求を進めていく考えた。効率性については、バランスシート全体における投下資本の最適化を果たしていくとした。

油脂の価格改定の進捗状況について、21年4月から22年7月までの原料価格高騰を背景とした価格改定については、「販売価格への反映を完遂できた」と説明した。一方で、24年10月以降の物流・人件費やオイルバリューの高止まりなどの複合的なコスト環境に対する価格改定は、実勢化に遅れが出ているとした。

「短期的には安定供給のために価格改定の必要性を丁寧に説明しながら進めていく」と述べた。

その上で、「中期的には不確実な事業環境が常態化する中で、事業構造の抜本的変革の必要性が重要になっている。営業のスタイル変革を起点に生産・物流改革によって、三位一体の改革で資本収益性を追求する事業構造への転換を進めていく。足元での一層のオイルバリュー高騰、中東情勢を鑑みると、スピード感を上げて待ったなしで取り組む」と力を込めた。

営業スタイルの変革では、BtoC、BtoBともに消費者インサイトを起点としたマーケティング機能・体制の強化に取り組む。生産プロセス変革では、稼働率の最適化や投資収益性を軸とした設備投資などを行っていく。物流プロセス変革では物流ネットワーク体制の再構築やアイテム数の削減・在庫の最適化などに取り組む。

〈油脂・油糧と加工食品・素材は価格改定の完遂・オリーブ油の収益回復に取り組む〉

26年度の重点施策のうち、「営業利益の拡大」については、グローバル油脂・加工油脂ではグローバルサプライチェーンの強化によるチョコレート用油脂の拡販を進める。油脂・油糧と加工食品・素材は価格改定の完遂とオリーブ油の収益回復などに取り組む。

チョコレート油種・加工油脂の供給力について、「26年度中の設備投資は概ね完了した。27年度からフルスイングで寄与していく」とした。主力製品のCBE(ココアバター代替脂)の持続的な成長を目指す。

油脂・油糧では、家庭用の粗利で8億円の増加を計画する。健康やおいしさで評価され市場が拡大しているこめ油や健康オイルの販売比率を高めていく。加えて、収益性の低い商品の整理統合を行っていくとした。

オリーブ油は20億円の粗利増を見込む。「BOSCO」、「日清」、「ミックスタイプ」の3つのブランドを効果的に活用して販売数量を拡大し、調達の安定化も並行して進める。

業務用は12億円の粗利増を見込む。顧客の複雑な課題に応えることで新規ユーザーを開拓し、安定的な販売数量を確保する。収益性の高い機能型商品の炊飯油などの提案を強化する。なお、「投下資本の効率化」については、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)に取り組み、アイテム数の削減や在庫の最適化などを進めていく。

〈大豆油糧日報 2026年5月20日付〉

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