欧州に輸出拡大、自然な甘さ実現した「糀しょうゆ」伸長、にごり酢も好評【松合食品】

糀しょうゆ
糀しょうゆ

2027年に創業200年を迎える松合食品(熊本県宇城市)は、地元産や有機といったこだわりの原料を使い、添加物をなるべく排した伝統の天然醸造に取り組んでいる。少子高齢化で地元の人口が減っていく中、濱弘己取締役は「都心部や海外で売れる商品を開発していく」と力を込める。

24年春に発売した「糀しょうゆ」は、米こうじ由来の自然な甘さを実現した商品で特に伸びているという。有機の甘夏果汁を加え、無ろ過で酢酸菌など発酵の源が残るにごり酢も好評だ。同社は全国醤油工業協同組合連合会(全醤工連)が出展する海外の展示会にも積極的に参加している。欧州にも輸出を広げており、そのこだわり商品は海外でも高い人気を集めている。

同社の通販サイトで一番人気のしょうゆは、自社農園や契約農家が無農薬で栽培した原料を使った「天然醸造丸大豆しょうゆ(こいくち)900ml」で、濱取締役は「こだわりの原料と製法により価格は上がってしまうが、20年以上変わらず伸び続けている」と話す。熊本県内だけではなく、福岡、大阪、東京でも好評だという。

「天然醸造丸大豆しょうゆ(こいくち)900ml」
「天然醸造丸大豆しょうゆ(こいくち)900ml」

こだわりしょうゆのラインアップは長らく丸大豆しょうゆのみだった。九州のしょうゆは甘口とされるが、同社のこだわりしょうゆは甘くない。そこで甘口を好む人に向けて、2年前に「糀しょうゆ」を開発した。1年以上熟成させたもろみに、自社農場米を使った米麹を贅沢に仕込み、二段熟成させることで、麹由来の自然でまろやかな甘みを実現した商品だ。「健康志向の人や首都圏や海外で受けており、自然の甘さのあるしょうゆということで伸びている」と手ごたえを得ている。

「甘夏果汁入り 飲むにごり酢 300ml」は無農薬で育てた自社農場の玄米を使い、手間のかかるもろ蓋製法でもろみを造っている。ストレートだと苦みが強いため、有機栽培された甘夏100%果汁を加えることで、飲みやすいドリンク酢に仕上げた。酢は通常ろ過しているが、同商品は無ろ過のままなのが特徴だ。「濁っているのは酢酸菌が残っているためで、そのまま取り入れることができる」と訴求する。大手メーカーもにごり酢に力を入れ始めており、各社が一緒になって市場拡大を目指す取り組みも進めているという。海外でも受けており、オーガニックスーパーなどにも採用されている。「原料が限られ、大量には作れない。目に見えて、手の届く原料で取り組んでいく」とこだわりを語る。

「甘夏果汁入り 飲むにごり酢 300ml」
「甘夏果汁入り 飲むにごり酢 300ml」

■「医食同源」掲げる、健康志向が見直されマッチ、しょうゆ・みその長期熟成にも注力

しょうゆやみそなど同社のこだわり商品は海外でも伸びている。従来は香港を中心にアジアには輸出していた。全醤工連が海外の展示会に毎年出展しているが、同社もスペイン、ドイツ、フランスなどで開催された主要な展示会に参加してきた。「当社は元々、『医食同源』を掲げているが、世の中で健康志向が見直される中、マッチしている。海外に多くの需要があることから、今後も力を入れていく」と述べる。

このほか同社は長期熟成にも力を入れており、10年熟成のしょうゆ、2年熟成のみそを販売している。「十年熟成醤油 阿波屋」は、同社が長年培った低温熟成の技術により、大豆・小麦を10年かけてゆっくりと分解し、深いコクとまろやかなうま味、甘味、独特な香りを醸し出す特別なしょうゆだ。みそはt単位で貯蔵しており、「二年熟成 合わせ味噌 阿波屋 500gカップ」として発売している。

〈大豆油糧日報2026年5月8日付〉