中東情勢の緊迫化を踏まえ、農水省が「食品容器包装等情報交換会」開く / 今後の資材調達への不安、流通の目詰まりなど、参加団体・企業から懸念挙がる

農水省は27日、省内で「食品容器包装等情報交換会」の初会合を開いた。昨今の中東情勢の緊迫化を踏まえ、食品製造、流通・小売、外食・中食などに関わる関係業界と行政の間で食品容器包装などに関わる需給情報を共有し、市場の安定に資することを目的としたもの。オンラインでの開催で約250アカウントが参加した(行政関係者含む)。

この日は経産省から原油の代替調達の動向や石油需給の見通し、当面の備蓄方針などが報告された。また、農水省からは中東情勢に伴う食品産業分野への影響や対応などの説明が行われ、その後意見交換が行われた。参加団体・企業からは今後の資材調達への不安や、流通の目詰まりなどを懸念する声が挙がったという。農水省と経産省は、今後も関係団体・企業からの開催要望や新たな説明事項が発生した時など、適宜情報交換会を開くとしている。

〈原油調達先の多角化が進展、代替調達にも取り組む〉

経産省の説明によると、原油について6月の代替調達は、従前の7割以上の見通しから、8割程度まで引き上げられた。中東や米国に加え、中南米、アジア太平洋、中央アジアからも調達を進めており、6月にはアフリカにも原油調達先が拡大される予定とし、原油調達先の多角化が進展しているという。
7月の代替調達についても、6月の水準をさらに上回る水準を確保するべく、最大限取り組むとしている。

石油については、代替調達の進展を踏まえると、保守的にみて6割の代替調達が継続する場合を想定しても、年度を越えて来年春まで石油の安定供給を確保できる見通しだという。当面の備蓄方針については、国家備蓄放出(第2弾)に際して、5月の代替調達率を保守的に4割と想定して放出量を決定した一方、現時点では、当初の想定を上回る約6割(日量約140万バレル)の代替調達が実現できる見込みとしている。
また、6月についても約7割以上の代替調達の目途から、輸送上のリスクを考慮し、代替調達率を保守的に6割(日量約140万バレル)と想定しても、これまでの備蓄放出決定分を活用し、6月に必要な原油を確保できる見通しから、第3弾の国家備蓄放出の決定は行わないとしている。
その半面、関係団体・企業から懸念が挙げられている流通の目詰まりについては、対策を一層強化するとし、

〈1〉政府の重要物資タスクフォースの要請に基づき、重要施設向けには元売りから直接販売
〈2〉元売りから卸事業者向け販売は、系列・非系列にかかわらず、前年同月比量を基本とするよう、大手元売事業者に要請。加えて、大手卸売事業者にも、これに準じた要請を実施する

――としている。

〈農水省と経産省が連携し、実態把握に取り組む〉

農水省は中東情勢に伴う食品産業分野への影響や対応として4月10日、省内に「中東情勢に伴う食料の安定供給・確保のための対応チーム」室を設置した。これまでも経産省と連携し、燃料油等の供給安定化に取り組んできたが、即応体制を強化するとともに、品目ごとのサプライチェーンの把握・分析体制を強化している。また、相談窓口を設置しており、5月14日時点で968件の相談があるという。

食品産業関連資材の確保に向けた取組みでは、農林水産業・食品産業関連資材(農業用マルチ、農業ハウス用フィルム等の生産資材、コメ袋、食品包装用フィルム等の流通資材など)について、流通構造等の実態把握を実施している。
このうち、「コメ袋」と「農業用マルチ」の一部に供給の懸念があるとの情報を受け、農水省ではこれらの製造事業者と原料の調達状況などについて情報交換を実施した。
その結果、国民生活への影響が大きい「コメ袋」については、経産省の協力のもと、原料メーカーからポリエチレンの安定的な供給が継続される見通しとなったという。「農業用マルチ」についても、当面は前年実績の供給が可能であることが確認されている。

一方、流通事業者や農業者からは、種々のプラ製農業資材の将来の調達に不安の声が挙がっている。このため、経産省と連携し、資材ごとの供給状況に応じて、

〈1〉引続きポリエチレンなどを安定的に供給するための原料メーカーへの働きかけ
〈2〉農業資材の製造・流通事業者に対して、調達支障時の関係者との協議と農水省への相談、受発注の平準化などの要請

――を実施していく方針だ。

〈畜産日報 2026年5月28日付〉

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