日本事務所開設70周年、駐日米国大使公邸でレセプションを盛大に開催【USSEC】
アメリカ大豆輸出協会(USSEC)が海外初の事務所を日本に開設し、今年で70周年を迎えた。それを記念して27日、都内で70周年記念セミナーを開催した。金融機関が融資の条件とし始めるなど、持続可能な調達の重要性が高まる中、農水省が発行する入門書で、米国大豆がサステナブルな方法で生産されていることを証明するSSAP 認証が推奨されていることも紹介された。その後、港区の駐日米国大使公邸でレセプションが盛大に開催され、祝辞を述べた日本植物油協会の久野貴久会長(日清オイリオグループ社長)をはじめ、業界関係者が200人近く出席した。
セミナーの開会にあたり立石雅子日本副代表は、「七十数年にわたる日本の皆さんのパートナーシップに感謝し、大豆が持つ可能性を改めて発信する場にしたい」とセミナーの目的を説明した。「米国の大豆生産者は豆腐、納豆といった伝統食から畜産飼料、油脂、大豆たん白、エネルギーに至るまで日本の食卓と産業の見えないインフラを支えている。サプライチェーンの不確実性が高まる今こそ、大豆の価値と安定供給の重要性を発信していく。今後もSSAP 認証の取り組みを通じ、皆さんの企業価値と社会的信頼の確立に貢献していく」と述べた。
続くウェルカムリマークスで、米国大使館のジーン・ベイリー農務担当公使は70年を振り返り、「米国大豆が日本の安全保障を支え、日常を豊かにする橋となってきた」と強調した。「1950年代にアメリカ大豆協会の栄養指導者が日本各地を回り、数十万人の主婦と出会った。大豆食品を戦時中の配給食品から健康的で栄養価の高い食品へと大きく変えていった。60年代から70年代にかけては、品質基準を策定すると同時に、大豆の伝統的な食べ方と革新的な活動の両方を促進してきた。家畜用飼料の原料として日本のたん白質の供給を支え、食用油脂とエネルギー生産に欠かせない原料として、日本のサプライチェーンと日常生活のあらゆる点に関わってきた。70周年は単なる振り返りではなく、再確認と更新の時でもある」と述べた。
USSECのジム・サッターCEOは70年の協力と歴史を振り返り、「日本は米国大豆にとって最も重要かつ長年にわたるパートナーの一つだ。USSECの最初の海外事務所は日本で設立された。大豆は日本の食文化と食生活において中心的な役割を担っており、1人当たりの大豆の消費量で世界第2位だ。日本で消費される大豆の多くは輸入で米国はその約70%を供給している。高品質な食品用大豆への需要は引き続き堅調だ。飼料需要もあり、日本では搾油産業も繁栄している。米国大豆産業は日本へのコミットメントを強く持っている」と述べた。
セッション1では「アメリカ大豆の持続可能性の進捗状況とパートナーシップの主な成果」と題し、大豆農家を代表して来日したアメリカ大豆協会(ASA)のスコット・メッツァー会長と、USSECのマイク・マクレイニー会長、USSECのマネージング・ディレクターのロズ・リーク氏が登壇した。農家の2人は被覆作物、土壌保全などサステナブルな方法で大豆を生産している取り組みを紹介した。ロズ・リーク氏はSSAP 認証マークについて、東京五輪の持続可能な調達コードに認定され、18年以降にはサステナビリティの関心が高まっていき、日本では現在、約280の商品にSSAP 認証マークが付いていることを紹介した。
〈持続可能性が金融機関の融資条件に、日豆協は大豆品種を効率的に探す取り組み〉
セッション2では「日本での認証制度、トレーサビリティ、およびSSAP マーク普及促進」と題して行われた。ニューラルの夫馬賢治CEO(信州大学特任教授)による講演では、持続可能性サステナビリティや認証制度の重要性が高まっていることが共有された。今年度から有価証券報告書の中で持続可能な調達状況を開示することが強化されたという。
農水省は、積極的に持続可能な調達をすることにコミットしている企業の割合を2030年までに100%に増やす目標を掲げているが、24年時点で49.3%まで上がっていることを紹介した。農水省は25年3月に持続可能な調達を進めていく上での入門書を発行しており、その中にSSAP 認証が推奨されていることを紹介した。
さらに、三菱UFJフィナンシャルグループは4月に、グループ全体で南米産大豆はRTRSという持続可能なものを使わなければ融資や投資を行わないと発表しているという。「金融機関が大豆の調達のありかたにも自分たちの意思を持ってきたのは新しい動きだ。米国であれば、SSAP 認証の開示が銀行にアピールする上でも重要になってくる」と見通しを述べた。
日本豆腐協会の三好兼治会長(三好食品工業社長)は協会の活動として22年からUSSECと共同で「TOFU FUTURE PROJECT(トーフ・フューチャー・プロジェクト)」を推進していることを紹介した。豆腐づくりは高たん白であることが重要となるが、たん白質の量だけではなく、組成も数値化、可視化することで豆腐を科学することを実現し、豆腐作りに最適な大豆品種を効率的に探す取り組みだという。
三好食品工業としては、16年からSSAP 認証マークを使用している。当時はサステナビリティに対する意識は低く、反応はあまりなかったというが、「サステナビリティの取り組みが必須になりつつある。大手の流通もサステナブルな調達を企業ポリシーとして掲げてきており、早い段階から付与して良かった。銀行からも金利優遇のメリットがあったということも聞いている。日本豆腐協会として、会員企業に対してSSAP マークの活用を促進し、ブランドの価値向上を目指す」と述べた。
〈日本への輸出額$12億超え24年比10%増、米国大豆は今日なお日本人の食生活支える〉

レセプションでジョ-ジ・グラス駐日米国大使は、「1956年のUSSEC日本事務所の開設は、日米パートナーシップにとって極めて重要な瞬間だった。米農務省の最初の海外駐在事務所として、両国の農家、消費者、企業、食料安全保障によって、今ではなくてはならない農業のつながりへの道を開いた」と振り返った。「日本のような目の肥えた市場において、顧客や消費者からのお墨付き以上に優れた品質の証はない。両者の高い基準により、この関係は長く続いてきた。そして、昨年の日米貿易投資協定が新たなレベルのビジネスをもたらしている。昨年、日本への米国産大豆と大豆ミールの輸出額は$12億を超え、2024年から10%増加した。それも25年の関税ありで増加し、同時に日本の農産物の対米輸出も増加している。米国産大豆を使用したしょうゆなどの製品が米国で高い需要を得ている。米国で栽培された作物が日本で製品となり、世界中で楽しまれていることが、素晴らしいパートナーシップを端的に表している」と話した。

日油協の久野会長は祝辞で、「70年前に世界最初の海外事務所として、アメリカ大豆輸出協会日本事務所が設置された当時、日本が輸入していた油糧原料の大部分が米国産大豆であり、まさにわが国の製油産業とフードシステムを支える存在だった。ちなみに、昨年に日本が輸入した米国大豆は約228万t、搾油用で192万t、食品用で35万tと、今日なお日本人の食生活を支えている。この70年間で世界の植物油事業は飛躍的に拡大している。米国農家は安定した品質、安全安心の担保、環境負荷への配慮とともに、単収増加への取り組みで先導的な役割を果たされていることに改めて敬意を表したい」と述べた。「足元では、世界人口増加に伴う食用油需要拡大に加え、バイオ燃料政策に伴う食用以外の需要の急増もあり植物油事業全体を押し上げている。そうした状況の中、われわれメーカーはおいしく、安全で、環境に配慮した植物油を日本の生活者に直接、間接に届けるという食料安全保障の確保に対する責務を負っている」と強調した。
「その意味でも、日米パートナーシッププログラムを通じて、これからも米国の大豆は生産者の皆さまとの信頼関係を強固なものにしていきたい。この日米パートナーシッププログラムは1996年以来、隔年で双方の代表団を派遣し合い、意見交換、現地視察を組み入れたプログラムで実施している。30回目となる今年は日本での開催で、皆さまの来日を心よりお待ちしている」と呼びかけた。
USSECのマイク・マクレイニー会長もあいさつし、「農家である私たちにとって家族経営の農場で育った大豆が、日本の人々の暮らしを幅広く支えていることは大きな誇りだ。長年にわたり築かれてきた信頼関係は私たちの礎となっている。世界的にも健康志向やサステナビリティ、高品質な食品への関心はますます高まっている。米国の大豆生産者は責任ある農地管理と継続的な改善に引き続き取り組んでいく」と語った。
乾杯のあいさつはASAのスコット・メッツァー会長が行い、「米国の大豆生産者を日本の食を支える大切なパートナーとして迎え入れ、長年にわたり信頼をしてくれていることに感謝する。これまでの70年の歩み、そしてこれからの明るい未来に思いを込めて、共にお祝いしたい」とグラスを掲げた。
〈大豆油糧日報2026年5月29日付〉








