全豆連が安定供給危惧、中東情勢の悪化を受け豆腐容器・フィルム・インクなど急騰 / 太子食品工業はパッケージデザイン変更も
中東情勢の悪化を受け、豆腐業界においても影響が及んでいる。包装材料の原料となるポリプロピレンやポリエチレン、ポリスチレン樹脂などの大幅値上げや供給不足が深刻化しているという。
全国豆腐連合会(全豆連)では4月27日、容器メーカーのコバヤシや、相模屋食料の鳥越淳司社長とともに片山さつき財務大臣を訪問し、重油と包装資材の安定供給確保に関する要望書を財務省に提出した。片山財務大臣は日本の豆腐文化を守る議員連盟(豆腐議連)の議連幹事長でもある。全豆連の大石眞太郎副会長と宇佐見順理事が、豆腐業界における中東情勢の影響や全豆連としての対応について本紙取材に応えた。
全豆連の聞き取りによれば、包装資材メーカー約20社が、7月以降の入荷が難しいと回答したという。さらに、包装資材の急激な値上げに伴い、「(豆腐メーカーも)15~20%値上げしないと厳しい」(大石副会長)と話す。
宇佐見理事によると豆腐容器は、6月から現行価格の30%以上の値上げが起こっており、7月以降さらに上がるという。「大豆の次に価格が高いのが容器代だ」としており、1丁300円の豆腐の場合、うちパックに5~6円、フィルムに4~5円かかるイメージだとした。
特に深刻なのはフィルムとインクだという。塗料メーカーの最大手である日本ペイントでは、3月19日からシンナー製品を現行価格から75%値上げ、6月1日出荷分から溶剤系塗料で25~35%、水性塗料で20~30%の値上げを発表するなど、急騰が続いている。すでに太子食品工業では、一部商品のパッケージデザインを変更し、インクの使用量の削減を図っている。
加えて、製造工程で大量の熱エネルギーを必要とするため重油の依存度が高いことや、賞味期限の短さゆえに包装資材や物流の遅延が即廃棄につながるといった課題も抱えている。
これまで豆腐業界では、1973年の大豆パニックやコロナ禍など、さまざまな難局に直面してきたが、「大豆パニックがあった際でも豆腐の流通は大きくは減らなかった。今は豆腐の出荷が出来ないかもしれない危機が迫っている」と危惧する。
大石副会長は「豆腐を適正価格で販売するチャンスでもある。値上げができれば、最低価格を底上げできる。豆腐業界で一致団結して、適正価格にすることで良い未来を作りたい」と語った。
〈太子食品工業は油揚げ・もやしのパッケージデザインを変更、インク使用量を6~7割削減〉
太子食品工業の取り組みとして、インクの使用量の削減を目的に、油揚げ2種ともやし5種のパッケージデザインを変更する。デザイン性を維持しつつ、色数や印刷面積を減らしたデザインとした。変更時期は油揚げは6月中旬から、もやしは6~7月を予定している。この変更により、現行品と比較してインクの使用量を6~7割減らすことができる。




変更の理由について、広報販促室の田中雅浩室長は、「インク溶剤が足りないという話が来ており、いかにインクの使用量を抑えてお客様に届けるかを考えた」と話す。
「東日本大震災を経験した際、包材メーカーも被災し、商品をお届けできなかった。食品は命を司るものだからこそ、届け続けないとならないという想いがあった」と語る。
商品パッケージは、商品の保護だけでなく、ブランドのイメージや商品特徴を伝える役割がある。「ブランドイメージや商品特徴を削るのはリスクだが、お客様にお届けすることを第一にした」と述べる。
加えて、エネルギー費も上昇しているため、重油以外のエネルギーの使用を検討するほか、検品時にロスが出ないよう注意するといった対応も行っているという。
〈大豆油糧日報 2026年6月11日付〉
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