ラベルレス飲料、自販機に登場へ 経産省が省令改正、1本販売可能に

自販機で完全ラベルレスの商品を販売へ
自販機で完全ラベルレスの商品を販売へ

経済産業省は、一定の条件を満たすラベルレスPETボトル飲料を1本単位で販売できるよう、資源有効利用促進法の省令を改正し、7月30日に施行した。これまでラベルレス商品は、PETマークを外箱に表示する箱売りが中心だった。販売時にJANコードを読み取る必要がない自動販売機から普及が進むとみられる。

通常商品(左)と、自販機で販売されるラベルレス商品
通常商品(左)と自販機で販売されるラベルレス商品

制度改正を受け、コカ・コーラシステムは2026年10月から、全国の自販機で「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」(540ml、希望小売価格180円・税別)の販売を順次開始する。一部の地域や自販機では取り扱わない場合がある。

自販機でラベルレス商品を購入する小森経済産業政務官
自販機でラベルレス商品を購入する小森経済産業政務官

経産省は8月3日、ラベルレスPETボトルに関する広報イベントを開いた。会場には同商品を装填した自販機を用意し、小森卓郎経済産業大臣政務官が購入を実演した。イベントには、池田三知子日本経済団体連合会環境エネルギー本部長、井辻秀剛全国清涼飲料連合会会長も登壇し、制度改正の内容や資源循環に向けた取り組みを説明した。

従来の制度では、PETボトルの底面または側面へのPETマークの刻印に加え、消費者向けとしてボトル側面にも印刷やラベルで同マークを表示することが義務付けられていた。2020年4月からは、外箱にPETマークを表示すれば、箱に入った個々のボトルの側面表示を省略できた。

今回の改正では、ボトルの底面または側面にPETマークを刻印し、食品表示など他の法令で求められる表示をボトル側面に付けない場合、ばら売りでも側面のラベルや印刷を省略できるようにした。必要な情報をキャップに収められる水など、表示項目の少ない商品が主な対象になる。

法令上は自販機以外の小売店でも販売できる。ただ、コンビニエンスストアやスーパーでは、JANコードを使った販売・商品管理が一般的で、ラベルのない商品を取り扱うには実務上の課題が残る。このため、販売時にJANコードを読み取らない自販機が、最初の主要な販売経路になる見通しだ。

小森政務官は、ラベルレス化によってラベルの廃棄量を削減できるほか、消費者が分別排出する際にラベルを剥がす手間も省けると説明。「日々の消費行動の中で資源循環を進める、分かりやすい取り組みの一つだ」と述べ、消費者とメーカーの行動変容に期待を示した。

(左から)全清飲の井辻会長、小森経済産業大臣政務官、日本経済団体連合会の池田環境エネルギー本部長
(左から)全清飲の井辻会長、小森経済産業大臣政務官、日本経済団体連合会の池田環境エネルギー本部長

今後の普及に向け、全国清涼飲料連合会は、法令順守や自販機の商品見本、情報の表示方法などを定める業界ガイドラインを近日中に公表する。コカ・コーラシステムは10月から展開を始める。

井辻会長は、ラベルレス化について、プラスチック使用量の削減だけでなく、消費者の選択肢を広げ、分別排出を容易にする取り組みだと説明した。全国清涼飲料連合会は、指定PETボトル全体で2004年度比25%以上の軽量化を達成しており、2030年には使用済みPETボトルを再び飲料用ボトルにする「ボトルtoボトル」の比率を50%に高める目標を掲げる。ラベルレス化を通じて分別排出を促し、良質な再生原料の確保にもつなげる考えだ。

池田本部長は、政府や地方自治体、業界団体などと連携し、制度と企業の自主的な取り組みの両面から資源循環を推進する考えを示した。