アイリスグループ、農業参入初年度の収穫作業進む/「雨も多くやきもきしていたが、無事収穫できほっとしている」=大山社長
アイリスグループで精米業や農業関連商品の販売を手掛けるアイリスアグリイノベーションは9月16日、今年3月に取得した丸森ライスセンター(宮城県伊具郡丸森町)の内部を報道関係者向けに初公開した。公開にはグループの中核企業であるアイリスオーヤマの大山晃弘社長も出席し、報道陣からの取材に応じた。
アイリスアグリイノベーションは今年5月に農業への参入を発表し、ライスセンターのある丸森町内の複数箇所で合計22haの規模で稲作を行っている。品種はひとめぼれ、つきあかり、にじのきらめきの3つで、作付面積でおよそ3等分して植えている。16日現在では、このうちおよそ1haで収穫が完了しているという。収穫した米は、初年度は国内向けパックごはんに使用し、将来的には輸出向けパックごはんへの使用も検討しているという。具体的には「(アイリスアグリイノベーションでは)主に台湾、北米向けのパックごはんの輸出を進めているところで、近年では年間 400万食を超える輸出実績がある。こちらに使う米を順次、自社営農した米に切り替えていきたい」とする。
丸森ライスセンターでは、乾燥した籾を玄米にし、異物や規格外品を取り除き、重量を計測してフレコンへ詰める作業を行っている。取得面積は約400平方メートルで、貯蔵量は生籾で最大約14t。同社で作られた米も同ライスセンターでの乾燥・調製工程を経てアイリスグループの精米工場へ送られる。関係者向けに同社が収穫したつきあかりを使用したおにぎりが試食として提供され、大山社長も試食。「もっちりとしていておいしい」と感想を述べた。

取材では、農業参入初年度の所感について「初めて自分たちで作った米を収穫することができてうれしい。今年は例年に比べて涼しく、9月には雨も多かったので非常にやきもきしていたが、無事収穫できほっとしている」とコメント。米作りの難しさについては「7月には低温、8月は渇水、9月の長雨とさまざまな苦労があったが、地域の皆さんと連携して困難を乗り越えることができた」とした。
ライスセンターを取得し、川上から川下まで一気通貫した営農モデルを構築した狙いについては「2013年から精米事業に参入してきたが、近年は後継者不足や天候不順によって供給体制が不安定化している。その中でも、自分たちで生産から調達へというルートを作ることで、さらに安定しておいしい米を市場に提供できるようになったのではないか」としたうえで、いわゆる“令和の米騒動”にも触れ、「今後、自社営農の米を増やしていくことで、非常に供給の混乱が多い米市場で安定的に米を確保し、供給できる経路ができたと思っている」と述べた。

農業参入の発表時には、5年後の中期目標として200ha、将来的な長期目標で1,000ha規模での作付けを展望していたが、この目標に変更はないという。規模拡大については「具体的な地域は申し上げられないが、東北や北関東を中心にお声がけをいただいている状況。農地バンクを活用しながら進めていく」と話した。ライスセンターの取得も「丸森ライスセンターの所有が第1号。今後についても、農地を増やしていく中で、そこに併設するような形で増やしていけたら」と構想を明かした。
〈米麦日報2026年9月18日付〉







