上島珈琲店、ファインロブ100%を商品化 2050年問題見据えロブスタに新たな価値

「ファインロブ」アイス・ホットでテイスティングが行われた
「ファインロブ」アイス・ホットでテイスティングが行われた

上島珈琲店は10月1日の「コーヒーの日」から、ベトナム・Tamba(タンバ)農園産の高品質ロブスタ「ファインロブ」を100%使用した「ダブルネルドリップ アイスコーヒー ~ファインロブ~」を期間限定で発売する。気候変動などを背景とした「コーヒー2050年問題」を見据え、これまでブレンドやアイスコーヒーなどへの使用が中心だったロブスタの品質と価値を高め、コーヒーの新たな選択肢として提案する。UCCグループが9月28日に取材会を開いた。

ロブスタは通称で、正式には「カネフォラ種ロブスタ」。名称が「Robust(強い)」に由来するように病害虫に強く、深いコクや力強さを持つことから、一般的にはブレンドやアイスコーヒーなどに使われている。一方、ストレートで味わう機会は少なく、「安価で品質が劣る」といったイメージもあった。

ファインロブは新しい品種ではなく、ロブスタの中でも栽培や精製方法などにこだわり、品質を高めたもの。今回使用する豆は、精製時にコーヒーチェリーの粘液層(ミューシレージ)の除去率を調整する「イエローハニー製法」を採用しており、従来のロブスタのイメージを覆す新たな価値を提案する。

UCC上島珈琲店の「ネルドリップマシン」
UCC上島珈琲店の「ネルドリップマシン」

上島珈琲店では、ファインロブの個性を独自の「ダブルネルドリップ」で引き出す。ダブルネルドリップは、フランネル製のフィルターで抽出したコーヒーを、さらに新しいコーヒー粉が入った別のネルフィルターで再度抽出する方法。通常のネルドリップに比べてコーヒー粉を多く使用し、力強いコクや厚みを引き出しながら、余分な雑味や酸味を抑え、クリアな味わいに仕上げる。

UCCグループは2011年からベトナムに現地拠点を置き、品質コンテストの開催などを通じて生産者との関係を深めてきた。Tamba農園とは2013年から取り組み、品質向上に向けた意見交換や選別機の導入、加工・輸出体制の整備などを進めてきた。同農園では栽培から精選、輸出までを一貫して手掛け、UCCの品質基準を満たすコーヒーの安定生産につなげている。2023/2024年収穫分からは、UCCの一部製品でブレンドとして使用してきた。

背景には、世界的なコーヒー需要の拡大と気候変動への危機感がある。気候変動によって、2050年にはアラビカ種の栽培適地が大幅に減少する可能性が指摘されている。

UCCジャパン執行役員サステナビリティ経営推進本部長の里見陵氏は、ロブスタを単なるアラビカ種の代替品とするのではなく、品質や価値を高めることで、2050年以降もコーヒーを楽しみ続けるための可能性を広げていく考えを示した。

「ファインロブ」コーヒー豆
「ファインロブ」コーヒー豆

また、ファインロブは通常のロブスタより生産に手間がかかることから、品質に見合った価値を付けることが、生産者の品質向上への取り組みを後押しすると説明。現時点では生産量が少ないものの、生産者との取り組みを通じて供給拡大につなげていく。

UCCコーヒーアカデミー東京校専任講師の土井氏
UCCコーヒーアカデミー東京校専任講師の土井氏

UCCコーヒーアカデミー東京校専任講師の土井克朗氏は、Tamba農園産のファインロブについて、「カシューナッツのような香ばしさやサトウキビのような甘さの余韻、力強いコクと厚み、クリアな喉越しが特徴」と説明した。

今回の上島珈琲店での展開を、ファインロブの価値を消費者に伝える「一つ目のチャレンジ」と位置付ける。現時点で今後の具体的な商品展開は決まっていないものの、ファインロブの可能性を広げていく考えだ。

ユーシーシーフードサービスシステムズの山下氏
ユーシーシーフードサービスシステムズの山下氏

ユーシーシーフードサービスシステムズ店舗企画部ブランド企画課長の山下利奈氏は、「おいしいコーヒーを提供するだけでなく、その一杯に至るまでの背景や物語もお客様に伝えていきたい」と話し、「生産者とも一緒に長い目で育てながら、これからのコーヒーの可能性を広げていきたい」とした。

「ダブルネルドリップ アイスコーヒー ~ファインロブ~」は10月1日から10月下旬まで、全国の上島珈琲店(一部店舗を除く)で数量限定販売する。税込価格はRサイズ690円、Lサイズ810円。一部店舗では価格が異なる。なくなり次第終了する。

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
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