UCCグループ、SCAJ2026に5ブース出展 水素焙煎や「食べるコーヒー」で新たな価値提案
UCCグループは、東京ビッグサイトで開催中のスペシャルティコーヒーの展示会「SCAJ2026」に、10月14~16日の3日間、5ブースを出展している。これまで培ってきたコーヒーの栽培や商品開発、研究の歴史を紹介するとともに、水素焙煎による新たな味わいや、食べるスタイルのコーヒー「YOINED(ヨインド)」などを提案している。
UCCグループは「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」をパーパスに掲げる。今回の展示では、家庭用商品にとどまらず、業務用サービスやコーヒーマシン、健康研究など、グループ全体の取り組みを紹介した。広報担当者は、これまでの挑戦の歴史を踏まえながら、さまざまな形でコーヒーの新たな価値を創造していることを伝える展示だと説明した。

中心となるUCC上島珈琲のブースは「コーヒー文化の歩みと未来を、UCCから。」をコンセプトに展開。1969年の缶コーヒー発売や、1970年の真空包装レギュラーコーヒー製造開始といった商品開発の歴史を紹介したほか、1981年に開設したジャマイカ、1989年に開設したハワイの直営農園の取り組みも展示した。
また、水素焙煎の技術や、コーヒーに含まれるカフェイン、クロロゲン酸、トリゴネリンなどの成分に着目した健康研究も紹介。環境負荷の低減やコーヒー成分の健康機能に関する研究成果などを展示した。

ブースでは、2026年の世界ラテアート選手権で優勝した台湾の林紹興氏による実演も行われた。UCCハワイ直営農園産のコナコーヒーを使用し、カップの表面に繊細な模様を描く技術を披露した。

家庭でコーヒーを手軽に淹れる方法も紹介した。2014年の「ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ」で優勝したUCCコーヒーアカデミー専任講師の土井克朗氏が、抽出を途中で止められる器具を使い、蒸らしを行わずにコーヒーを淹れる方法を実演。コーヒー豆20gに対して湯270mlを使用し、注湯量の配分を変えることで、酸味を生かしたすっきりした味わいと、コクのあるまろやかな味わいを引き出す方法を紹介した。
土井氏は、家庭でコーヒーを淹れる際に、蒸らしの時間など細かな条件を考えすぎると負担になると指摘。抽出方法をできるだけシンプルにすることで、誰でも手軽にハンドドリップを楽しめるようにしたい考えを示した。

今回、初めて単独ブースを設けたのが、食べるスタイルのコーヒー「YOINED」だ。2023年に発売した同商品は、カカオ豆を使用せず、焙煎したコーヒー豆を凍結粉砕し、コーヒーオイルなどと組み合わせる独自製法で開発した。抽出液ではなく、豆そのものを使用することで、コーヒーの香りや味わいを長く楽しめる点が特徴となっている。
会場では2025年発売品を限定復刻し、試食を実施。担当者は、抽出しない製法だからこそ豆の品質が重要になると説明し、発酵工程に特徴のあるコロンビア産コーヒー豆を使った製品の香りや味わいを紹介した。
さらに、11月発売予定の新作についても説明。ゲイシャ種とレッドブルボン種を使った2種類のアソートを投入する計画を示し、会場限定300セットの先行予約を受け付けた。バリスタが考案したドリンクやスコッチウイスキーとのペアリングも提案し、飲み物としてだけでなく、食品としてのコーヒーの楽しみ方を紹介した。
一方、UCCジャパンのブースでは「The new roast.」をテーマに、水素焙煎によるスペシャルティコーヒーを提供した。水素焙煎は、水素を熱源に使用することで焙煎時のCO2排出を抑えるとともに、細かな火力調整によって多様な味わいを引き出せることが特徴だ。

会場では、ニカラグア・ロスプラセーレス農園産のコーヒー豆を使用し、エスプレッソトニックなど新しい飲み方を提案した。
ブースでは、水素焙煎という言葉をあえて前面に出さず、まずコーヒーの味わいを体験してもらう方法を採用した。来場者がQRコードを読み取ると、提供されたコーヒーが水素焙煎によるものであることや、その技術的な特徴が分かる仕組みとした。担当者は、水素焙煎の技術そのものだけでなく、コーヒーの新しい味わいや楽しみ方を伝えることが狙いだと説明した。
このほか、ラッキーコーヒーマシンはイタリアのエスプレッソマシンメーカー「ラ・マルゾッコ」の各種機種や、スイスの全自動コーヒーマシンブランド「フランケ」の新機種を展示。UCCコーヒープロフェッショナルは、11種類のコーヒー豆から飲食店が独自のブレンドを設計できるシステム「F.O.B.」を紹介した。







