タリーズコーヒー「タリーズフェスティバル2026」開催、フェローの技術とホスピタリティ磨く コスタリカ研修で生産者への理解深める
タリーズコーヒージャパンは10月12日、全国の店舗で働くフェロー(従業員)が技術や接客力を競う「タリーズフェスティバル2026」を開催した。「Beyond the Cup~その一杯の向こう側~」をテーマに、バリスタコンテストやコーヒースクールコンテスト、コーヒーマスターコンペティションを実施。コスタリカのグループ農園で研修を受けたフェローによる報告会も開き、生産者の思いや人材育成の重要性を共有した。
バリスタコンテストには、全国約850店舗の中から地区予選を勝ち抜いた社員・アルバイト各9人が出場。抽出技術に加え、顧客の好みをくみ取る提案力やホスピタリティを競った。社員の部は真瀬フェロー(近畿・中四国第一地区)、アルバイトの部は岡野フェロー(関東・甲信越第二地区)が優勝した。ベストシグニチャー賞には、菅フェロー(北海道・東北地区)の「Rose Veil Latte(ローズヴェールラテ)」が選ばれた。
コーヒースクールコンテストは、講師とアシスタントのペアが、コーヒーの魅力やおいしい淹れ方を伝える力を競った。「PURA VIDA!タリーズのコスタリカをもっと好きになる15分間」をテーマに4組が出場し、&TEAエスパル福島店ペアが優勝。コーヒーマスターコンペティションでは、専門知識や抽出技術を競い、寺島フェローが優勝した。
イベントでは、コスタリカのグループ農園「ラ ミニータ農園」で研修を受けた池田フェロー(アルバイトフェロー/コーヒーマスター)と工藤理恵フェロー(社員フェロー/コーヒーマスター)、ラ ミニータ社のスコット・マーレ氏(シニア バイス プレジデント)による報告会も実施した。

池田フェローは、昨年のコーヒーマスターコンペティション優勝者として研修に参加。コーヒーチェリーを丁寧に摘み取る人々や品質を守るスタッフ、生産者との交流を通じ、「おいしいコーヒーで誰かを笑顔にしたい」という思いが生産地と店舗に共通していることを実感した。帰国後は農園での経験を店舗で共有し、報告会やコーヒースクールで生産背景を伝えてきた。
工藤フェローは、農園に根付く「人を育てる文化」が印象に残ったと話す。知識を共有し、先輩が後輩の成長を支えながら技術や文化を引き継ぐ姿に触れ、人材育成の重要性を実感。研修で得た学びを、生産背景の発信や店舗運営、フェローの育成に生かす考えだ。
マーレ氏は、気候変動による降雨量や降雨時期の変動がコーヒー生産に及ぼす影響を説明した。雨が多すぎると病害の増加やコーヒーチェリーの落果、根へのダメージにつながり、少なすぎても樹木に負担がかかり生産量が減少する。農園では、耐性を持つ品種の検証や灌漑、肥料の種類・施用時期の見直しなどで対応している。
また、タリーズが求める味わいを農園側と共有し、精製工程を検証するなど、両社が連携して品質を追求していることも紹介した。目指すのは、一度だけおいしいコーヒーをつくることではなく、狙った品質を安定して再現することだという。

内山修二社長は、コーヒー業界を取り巻く環境が今後さらに厳しくなるとの見方を示し、タリーズの強みとしてコーヒーの品質を挙げた。品質を維持・発展させることが課題になると指摘。情報があふれる時代でも「リアルに勝る情報はない」と強調し、現地を訪れ、人と出会うことで、生産者の思いやコーヒーづくりへの理解を深める重要性を説いた。こうした学びの機会を社内で増やし、池田・工藤両フェローのように、コーヒーへの思いを自分の言葉で伝えられる人材を育て、タリーズ全体の力につなげたい考えだ。
内山社長は、2027年の創業30周年を「次の30年に向かって新しいスタートを切る年」と位置付ける。効率化が進むなかでも、人から人へ温もりを届けるカフェを目指すとともに、フェローの活躍や技術を社外にも発信していく考えを示した。







