サントリー、自販機を推し活に活用 アクリルカード印刷や公式グッズ販売
サントリービバレッジ&フードは、全国の自販機網と運営体制を生かし、推し活市場向けサービス「TAG-LIVE!」を拡充する。新たに、その場でアクリルカードを印刷する「TAG-LIVE!CARD」を展開する。オリジナルラベル缶を扱う「TAG-LIVE!LABEL」には、推しの声や楽曲が流れる機能を加える。自販機で公式グッズを販売する「TAG-LIVE!MART」も始める。

同社は6月17日、東京ビッグサイトで19日まで開催中の「第19回 コンテンツ東京/第19回 ライセンシングジャパン」に出展し、発表会を開いた。各サービスの概要や事業戦略を説明した。
「TAG-LIVE!」は、2023年にオリジナルラベル缶を提供する「TAG-LIVE!LABEL」として始まった。コンテンツやイベントに合わせたラベル缶を販売し、サービス開始以降、年間200を超えるコンテンツと取り組んでいる。
現在は、既存のサントリー自販機約5,000台で展開する。商業施設を中心に、ラベル缶専用機も約400カ所に設置している。

同社戦略企画本部の高橋大樹課長は「機材だけでなく、それを運営する人員も含めて当社のアセット。全国のオペレーション網を活用することで、大規模な新体制を構築せずにサービスを拡大できる」と話す。

新たに投入する「TAG-LIVE!CARD」は、利用者が選んだデジタルコンテンツを、透明なアクリルカードにその場で印刷する自販機型サービスだ。この仕組みとしては日本初という(2026年5月、同社調べ)。
無地のアクリルカードに高精細で印刷し、約1分で提供する。
強みは、ファンの関心が高まった瞬間に商品を提供できることだ。たとえば、ライブ終了直後の写真や、キャラクターの誕生日、スポーツの記録達成などを商品化できる。データがあれば、短時間で印刷内容を変更できる。
従来の受注生産のように、完成まで数カ月待つ必要がない。在庫を事前に大量に持つ必要もない。担当者は「通販では時間差が生まれるが、自販機ならその瞬間に商品を届けられる」と説明する。
「TAG-LIVE!LABEL」には、新たに「推しボイス機能」を搭載した。利用者が商品を選ぶ際に、推しの声や楽曲が流れる。購入前と購入後で異なる音声を設定でき、最大48種類の音声を組み合わせられる。

「TAG-LIVE!MART」は、自販機で公式グッズを販売するサービスだ。ポップアップストアでは展開エリアが限られる一方、自販機を活用すれば、店舗を構えずに各地のファンへ商品を届けられる。店舗運営や在庫管理の負担も抑えられる。
各サービスでは、「MyGO!!!!!」「すとぷり」「学園アイドルマスター」とコラボ企画を展開する。
推し活市場は、2022年の約2.5兆円から2025年には約3.3兆円へ拡大した。推し活人口も約3800万人に達したという。同社は、推し活を一過性のブームではなく、今後も成長する市場とみている。
自販機を使えば、ライブ会場に行けなかったファンにも商品を届けられる。同社が機材だけでなく、全国で自販機を管理・補充する人員を持っていることも、サービスを広げるうえでの強みとなる。
オリジナルラベル缶は、容器を記念品として残しながら、中身の飲料は消費できる。同社は、この点が「買っても無駄にならない」という安心感につながり、購入の心理的なハードルを下げていると分析する。
「TAG-LIVE!CARD」は、2027年中に約250台へ拡大する計画だ。「TAG-LIVE!MART」は、中期的に100施設での展開を目指す。同社は今後、「TAG-LIVE!」を自販機事業の新たな柱に育てる考えだ。







