大塚食品「ジャワティ」、食事に合わせる飲み物文化を提案 飯田商店が桑名食材で一杯
大塚食品は6月30日、三重県桑名市で、無糖紅茶「シンビーノ ジャワティストレート」と食事の組み合わせを体験するイベント「味わうを楽しもう」を開催した。1989年の発売以来、食事に合う飲料として訴求してきたジャワティを、食材との組み合わせで改めて伝える取り組み。第5回となる今回は、人気ラーメン店「飯田商店」(神奈川・湯河原)の飯田将太店主が、桑名産ハマグリやヤマトシジミ、桑名もち小麦などを使った特別な一杯を提供した。
「シンビーノ ジャワティストレート」は、無糖・無香料のストレートティ。大塚食品は30年以上にわたり、料理の味を邪魔せず、食事とともに楽しめる飲料として提案を続けてきた。新商品を多発するブランドではないが、食事に合うテーブルドリンクとして地道に価値を伝え、根強い支持を得てきた。

狙いは、ジャワティを単体で訴求することにとどまらない。食事に合わせて飲み物を選ぶ文化を広げることにある。参加者はバスで桑名市内を巡り、桑名もち小麦の圃場、ヤマトシジミが採れる川沿いの漁場、桑名産ハマグリの人工干潟を見学した。その後、はまぐりプラザ前の会場で、飯田店主による特別なラーメンとジャワティの組み合わせを体験した。

大塚食品の小林一志部長は、イベントを始めたきっかけについて、2024年のジャワティ発売35周年を挙げる。「ジャワティは、素材を大切にする、食事を大切にするという思いを込めて作った商品。言葉だけで説明するのは難しいが、こういう場所で体感していただくことで理解が深まった手応えがあった」と話す。
イベントは35周年を機に始まり、今回で5回目。これまでは関東での開催が続いてきたが、初めて同地域以外で実施された。小林部長は「すぐに広がる話ではないかもしれないが、継続していくことが重要だと感じた」と振り返る。
桑名開催のきっかけは、飯田店主が以前から桑名産ハマグリに関心を持っていたことだった。飯田店主は「もともとは、ラーメンをうまくしたいという考えからだった。貝の余韻のようなものを考えた時、ハマグリを思い浮かべた」と話す。そこで、三重県内の関係者を通じて赤須賀漁業協同組合の水谷隆行組合長と知り合い、現地でハマグリを味わい、漁場の話を聞いた。
だが、飯田店主は現在、自店のラーメンにハマグリを使っていない。実際に食べ、そのおいしさや、長年かけて資源を守ってきた背景を知ったことで、「現在の自分のラーメンに出汁として使うのは違う」と考えたためだという。ただ、その後も赤須賀漁協との付き合いを続けており、今回のイベント開催につなげている。

水谷組合長は、シジミが採れる川沿いで、桑名の水産資源と漁場環境について説明した。木曽三川河口域は、上流に山、下流に伊勢湾を抱え、川が運ぶ砂によって干潟や浅場が形成されてきた地域。ヤマトシジミの漁場は橋から上流約12kmに広がるという。水谷組合長は「漁場が悪ければ、いくら魚や貝を放流しても資源は戻りにくい」とし、放流だけでなく、砂や干潟を含めた漁場環境の再生が欠かせないと説明した。
ハマグリの人工干潟では、長良川河口堰の浚渫砂を活用して造成した干潟を見学した。水谷組合長によると、先人たちは補償金ではなく「ハマグリが育つ干潟」を求めたという。赤須賀漁協では現在も稚貝の育成や放流に取り組み、資源を守りながら漁を続けている。
こうした考えは、イベント限定の一杯にも反映された。今回のラーメンでは、ハマグリをスープの出汁には使わず、別皿で酒蒸しした一粒を味わってもらう構成にした。飯田店主は「食べたらあれだけおいしい。これまで長い時間をかけて守ってきたものを、出汁だけで使うのは違うと思った」と説明する。ハマグリについては「一粒で本当においしい。ショートケーキのいちごのように、大事に食べていただきたい」とも話した。
スープは桑名のシジミと豚をベースにした。飯田店主は、シジミについて「これまで多くの人が培ってきた、もう一つの桑名の顔」と位置づけた。麺には桑名もち小麦を取り入れたほか、桑名もち小麦を100%使ったワンタン皮も用意した。三重県産アオサなども使い、桑名周辺の食材を中心に一杯を組み立てた。

桑名もち小麦の取り組みについては、保田商店の保田与志彦さんと農家の伊藤宏幸さんが説明した。保田さんは、もち小麦特有の食感に着目し、桑名の特産品として育てる活動を続けてきた。「小麦の風味は一般の方には伝わりにくい部分もあるが、食感は『何か違う』と感じてもらいやすい。桑名で育てたもち小麦を通じて、桑名という土地を発信できればと考えた」と話す。
伊藤さんは、担い手不足で荒れた農地が目立つ中、もち小麦の栽培を通じて土地を守りたいという思いを語った。「農家は、その土地に対して責任を持つ仕事。土地をきれいに守り、生かしていきたい。産業としても魅力のあるものにしていきたい」とし、地域の協力を得ながら栽培を続けている。

飯田店主は、今回の一杯について「強い味でまとめれば、一杯としてのインパクトは出せる。ただ今回はそうではない。出会った人たちや素材が浮き彫りになるような、食べながら探しに行けるような一杯にしたかった」と話す。ハマグリ、シジミ、桑名もち小麦、アオサ、上流の山の木を使った箸まで、川、海、山、農地のつながりを食事の中に落とし込んだ。箸は、ハマグリや鮎が育つ川の上流にある東白川村の木を使ったものを用意した。滑りやすい食材もつかみやすい「天削箸」と、手になじみやすい「卵中箸」を、食材に合わせて使い分けてもらった。
その体験を支える飲料として、飯田店主はジャワティの役割を強調した。「ジャワティは味をくっきり、明確にしてくれる存在。大げさではない」と語る。スープづくりで何度も味見をする中、ジャワティを飲むと次の味が分かりやすくなることを実感したという。今回の一杯についても、ジャワティがあることで、シジミや鮎、ハマグリなどの素材の味を感じ取りやすくなるとした。

飯田店主は「これまでは、唐揚げやニンニクの効いた料理を食べて、ガブッと飲んでリセットするという側面もあった。今回は少し違い、繊細な方向で、味をより明確に区切っていく役割をジャワティがしてくれた」と説明する。現在は日常的にジャワティを飲んでいるとし、「今はジャワティがないとだめ。味そのものが好きになった」とも話した。
小林部長は、ジャワティの販売状況について「販売は昨年から上向いてきている。こうした活動が少しずつ実を結び、支持をいただけているのではないか」と述べた。30年以上続いている理由については「飲み始めると、やめられなくなるという方がいる。ヘビーユーザーの方々に支えられているのは間違いない」とした。
同社は今後も、食材や料理との組み合わせを通じて、ジャワティの価値を伝えていく考え。小林部長は「生産者の方がどういう思いで作っているのか。地域のために取り組んでいる方々も多い。それぞれの思いは違うが、作っているもの、育てているものへの思いは共通している。そこは発信していきたいし、ジャワティもそれがあるからこそ活かされる側面がある」と話す。

飯田店主は、ジャワティの価値を広げる取り組みについて「食材との出会いや、こういう機会に力を込めて続けていくことは地道かもしれないが、それが一番の近道だと思う。一時的な流行ではなく、着実に愛していただける状態を作っていくことが、本当のムーブメントを起こすことだと思う」と語った。
小林部長は「最終的には文化にしていきたい。食事の時のジャワティというものにしていきたい」とし、食事に合わせて飲み物を選ぶ文化の定着に意欲を示した。







