「い・ろ・は・す」、自販機でもラベルレスに コカ・コーラが10月から全国展開

日本コカ・コーラ社の大島シニアマネジャー

コカ・コーラシステムは10月から、全国の自動販売機で「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」(540ml、希望小売価格180円・税別)の販売を順次始める。これまでオンライン通販などでのケース販売が中心だったラベルレス商品を、自販機で1本ずつ購入できるようにする。一部の地域や自販機では取り扱わない場合がある。

自販機で販売するラベルレス商品はキャップに必要な食品表示などをまとめている
自販機で販売するラベルレス商品はキャップに必要な食品表示などをまとめている

関連制度の一部緩和を受けて展開する。経済産業省は7月30日、一定の条件を満たすPETボトルについて、1本単位の販売でも側面のラベルを省略できるよう省令を改正した。必要な食品表示などをキャップにまとめ、PETマークをボトル本体に刻印することで、ラベルなしでの販売が可能になった。

日本コカ・コーラのベンディング事業本部でシニアマネジャーを務める大島遊氏は8月3日、東京・渋谷の本社で取材に応じた。大島氏は「お客様の利便性向上は大きなポイント」と説明。外出先で利用される自販機でラベルレス商品を提供し、ラベルを剥がす手間をなくすことで、利便性の向上と屋外でのリサイクル促進につなげる考えを示した。

現在、コカ・コーラシステムでは9ブランド、29品のラベルレス商品を展開している。販売の中心はオンライン通販で、同社によると、その売り上げの3~4割をラベルレス商品が占めるという。

コカ・コーラシステムは全国に約75万台の自販機を展開し、その約95%ですでに「い・ろ・は・す」を取り扱っている。対象台数や販売数量の目標は決めていないが、できるだけ多くの自販機でラベル付き商品から切り替える。フレーバー商品などもあるため、すべての「い・ろ・は・す」をラベルレスにするわけではない。切り替えには2~3カ月程度を見込む。

販売開始を10月としたのは、自販機の補充や管理を担う現場への負担を抑えるためだ。夏場は飲料の販売量が増え、補充担当者の業務量が年間で最も多くなる。

切り替えには、自販機内の商品コードの変更や商品見本の交換が必要になる。商品見本の交換だけでも、1台当たり3~5分程度かかるという。同社担当者は「夏のピーク時に、現場スタッフの負担をさらに増やすことは避けた。夏が終わってから展開する」と説明した。

購入前にラベルレス商品とわかるように専用の商品見本を使用、自販機上部の表示でも伝える
購入前にラベルレス商品とわかるように専用の商品見本を使用、自販機上部の表示でも伝える

自販機では、購入前にラベルレス商品だと分かるよう、専用の商品見本を使用する。自販機上部の表示やポスターでも、ラベルのない商品が出てくることを知らせる考えだ。

全国清涼飲料連合会の2025年調査によると、PETボトルを捨てる際にキャップとラベルの両方を外す人は、自宅では約8割だが、屋外では約3割にとどまる。外出先では、ラベルを剥がす手間に加え、「剥がしたラベルをどこに捨てればよいか分からない」との声も多いという。

同社は、ラベルのないボトルが増えれば、リサイクル工程での選別負担が減り、処理の効率化につながるとみている。全清飲の試算では、国内に約200万台ある清涼飲料の自販機で、水のPETボトル商品をすべてラベルレスにした場合、年間約350トンのプラスチックと約2100トンのCO2を削減できるという。コカ・コーラ単独の削減効果は公表していない。

「い・ろ・は・す 天然水」540mlPET ラベルレス
「い・ろ・は・す 天然水」540mlPET ラベルレス

今回対象とした「い・ろ・は・す 天然水」は、表示項目が比較的少ない水で、2020年からオンライン通販を中心にラベルレス商品を販売してきた。大島氏は、同商品の発売当初の2009年から環境に配慮した取り組みを進めてきたことを挙げ、「『い・ろ・は・す』とサステナビリティは非常に相性が良い」と説明した。ボトルのエンボス加工や黄緑色のキャップも定着しており、ラベルがなくても商品を見分けやすいという。

水以外の商品について、大島氏は「展開する可能性はある」とした。ただ、必要な情報をキャップに収められるか、ラベルがなくても商品を間違えずに購入できるかといった課題がある。まず「い・ろ・は・す」に対する消費者の反応を確認する。

将来的には、スーパーやコンビニエンスストアでの1本販売も検討する。だが、店頭ではJANコードを使った会計や在庫管理が一般的で、ラベルのない商品にコードをどう表示するかが課題となる。まずは自販機での販売状況を見ながら、ほかの商品や販路への拡大を探る。

大島氏は「業界のリーダーとして率先して取り組みたい。ラベルレス商品の自販機販売が業界全体に広がれば、社会にとって良いことだと思う」と話した。

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昭和26年(1951年)3月1日
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