伊藤園、ホップと茶で「アルコール代替」に挑戦 酒の味を再現せず新たな乾杯文化を提案

伊藤園が開発したホップと茶を組み合わせた無糖炭酸飲料「CHASER BREWING」。左から「INDIA SUNSET」と「JAPAN HORIZON」
伊藤園が開発したホップと茶を組み合わせた無糖炭酸飲料「CHASER BREWING」。左から「INDIA SUNSET」と「JAPAN HORIZON」

伊藤園は、アルコール飲料に代わる新たな選択肢として、ホップと茶を組み合わせた無糖炭酸飲料ブランド「CHASER BREWING(チェイサー ブリューイング)」を開発し、10月19日から首都圏の一部量販店でテスト販売を開始した。酒類の味わいを再現する従来のノンアルコール飲料とは異なり、ホップの香りや苦みと茶の味わいを生かした、新しい清涼飲料水として提案する。飲酒する人もしない人も、同じ場で楽しめる「新しい乾杯文化」の創出を目指す。

開発を手掛けたのは、マーケティング本部の新カテゴリー創造グループ。伊藤園が中期経営計画で掲げる「新たな事業の創出」を担う組織で、従来の事業領域にとらわれない商品開発を進めている。

開発の背景には、若年層を中心とした飲酒習慣の変化がある。同社は、既存のノンアルコール飲料の多くがビールやカクテルなど酒類の味わいを再現している一方、そもそも酒類の味を好まない人にとっては、十分な選択肢になっていないのではないかと考えた。

業界の自主基準では、アルコール度数0.00%で酒類に類似した味わいを持ち、20歳以上の飲用を想定したものが「ノンアルコール飲料」とされる。これに対し、同社は酒類の味の再現を目的とせず、清涼飲料水ならではの新しい味わいを追求した。

開発の出発点となったのは、伊藤園が強みとする茶ではなく、ビールの原料として知られるホップだった。同社マーケティング本部新カテゴリー創造グループブランドマネジャー兼商品開発チームチーフの塚本働氏によると、酒類が持つ魅力を探る中で、多彩な香りや苦みを持つホップに着目。その後、飲んだときの解放感や味覚への刺激を表現するために原料の組み合わせを検討し、茶との融合に行き着いたという。

塚本氏は、最初から茶を使うことを前提にした開発ではなかったと説明する。ホップと茶を組み合わせることで複層的な味わいを追求。従来の清涼飲料水にはない味覚への刺激を「キック」と表現し、商品設計の重要な要素としている。

商品は2種類で、いずれも350ml缶、価格は200円(税別)。「INDIA SUNSET(インディア サンセット)」は、比較的ビールに親しみのある層を想定し、苦みの強いトロピカルな香りを持つホップとインド産紅茶を組み合わせた。紅茶の厚みのある味わいと清涼感を生かし、ドライなキレを持たせた。

一方、「JAPAN HORIZON(ジャパン ホライズン)」は、普段ビールを飲まない人を主な対象とし、苦みが穏やかでみずみずしいフルーティーなホップを採用した。国産緑茶を低温抽出することで渋みを抑え、軽やかな味わいに仕上げた。両商品とも無糖で、クラフトビールを思わせる缶容器を採用。パッケージにはそれぞれの原料産地を象徴するモチーフとして、インドの国獣「トラ」と日本の国鳥「キジ」をあしらった。

「CHASER BREWING」の商品2種類を手にする伊藤園の新カテゴリー創造グループの社員
「CHASER BREWING」の商品2種類を手にする伊藤園の新カテゴリー創造グループの社員

新カテゴリー創造グループは発足3年目を迎えた。今年6月には、グループ会社のチチヤスが監修したヨーグルトベースを使用した菓子「ヨーギュ」を発売しており、飲料以外の商品開発も進めている。

販売面では、一部量販店の酒類売り場での展開も試みるなど、従来の清涼飲料とは異なる販路の開拓を進める。塚本氏は、特に移動中やビジネスシーンでの飲用に可能性を感じており、クラフトビールを扱う飲食店などへの展開も視野に入れる。

トラとキジをあしらった「CHASER BREWING」のブランドボードと商品2種類
トラとキジをあしらった「CHASER BREWING」のブランドボードと商品2種類

今後は、東京駅の限定売場や都内ホテルのカフェなどで販売機会を探る。サウナやライブハウスへの展開も検討し、試飲やテスト販売を通じて消費者の反応を確かめる。2027年夏の終わりごろには全国展開を目指す。

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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