給食センターをスマホで運営 異世界×学校給食のシミュレーションゲーム登場
今年4月、「学校給食費の抜本的な負担軽減」が始まり、注目が集まる学校給食。
学校給食は日本人が皆、小学校で食べている。そのため、思い出話に花を咲かした経験を持つ人も多いだろう。中には、社会科見学の一環で、地域の学校給食センターに見学に行って、学校給食が実際に調理されている現場を見た人もいるかもしれない。
そんな学校給食調理を実際に見学しなくても体験できる方法がある。それが、スマホゲームの「給食マスター!」だ。学校給食厨房機器を開発する中西製作所が昨年12月にリリースしたもので、学校給食センターで理想の給食を作るシミュレーションゲームである。App StoreおよびGoogle Playでダウンロード可能。料金は無料。アプリ内課金はなし。
スマホゲーム「給食マスター!」は、中西製作所が長年培ってきた給食センターの厨房設計ノウハウと、「食文化が廃れた異世界を『給食』で救う」というファンタジーな世界観を融合させた本格的経営シミュレーションゲーム。

プレイヤーは、異世界で給食センターの責任者となり、厨房のレイアウト、献立作成、衛生管理など、運営に必要な専門的な業務を遂行することで、人々の食への喜びを取り戻し、街の発展を目指すもの。実際に給食センターで使用される厨房機器が出ているので、リアリティのある給食センターの運営を体験できる。
中西一真社長は「みんな、子どもの頃に学校給食を食べているけれども、ほとんどの人は給食センターの中身を知らないと思う」と前置きをしつつ「給食センターはとても面白い場所だ。部屋が目的に応じて色が違っていて、汚染区域と非汚染区域に分かれているなど工夫が満載。どうしたら給食調理がうまくいくか、どうすれば給食がおいしくなるか、とても考えられて作られている。その面白さや工夫点を実際に体験してもらいたくてゲームを作った」と話す。
日本では近年、給食調理施設の老朽化と合併等で年間約50施設ほどの給食センターが新設されている。給食センターの企画から設計、施工、開設、運営までの一連の流れは、専門性や特殊性が求められる工程も多いため、一般的に業務内容がイメージしにくい側面があると、中西社長は指摘する。そのため、ゲームの持つ楽しさや達成感といった要素を通じて、厨房レイアウトや衛生管理といった専門知識を楽しみながら学べるように工夫したという。

ゲームでは、栄養士の育成による献立充実や、適切な厨房機器の設置や増設などを通じた生産性向上、さらには機器を効率よく配置し動線を確保することなどを通じて、スコアを上げることができる。
「給食の専門知識を学ぶとともに、ゲームとしての面白さも追求した。週刊ファミ通などのゲームの雑誌にも取り上げられたい」と期待をかける。
2024年秋に社内に話が持ち上がり、25年1月に動き出し、10月にほぼ完成した。
社内の反応を聞くと、賛否両論だったという。「本業でないところに経営資源を投入することへの批判もあるが、やってみないと分からない。ダメだったら次に改善すればいい」と語る。
「おいしい給食はたくさんの人々の努力で作られている。しかし、世間は給食についての悪いニュースばかり。給食の良さを、給食センターの面白さをもっと伝えたい。そのための一歩になればいい」と願う。そうした給食の認知度向上とともに、採用活動での説明会や新入社員研修などの教育現場での活用も進めていく考えだ。








