日清製粉ウェルナ「Smart Table」ミニチュロスが想定以上の配荷に、各種キャンペーンでブランドを訴求【ブランドの創りかた】

日清製粉ウェルナ「Smart Table」イメージ
日清製粉ウェルナ「Smart Table」イメージ

日清製粉ウェルナで展開の「Smart Table(スマートテーブル)」シリーズが堅調な動きを見せる。

中でも、2022年9月に投入した、2種の「ミニチュロス」は想定を上回るほど店舗での採用が進んだようだ。TVCMやキッチンカーを使った宣伝施策にも取り組んでおり、ミニチュロスを通じて他の商品の訴求にもつなげていくという。

「Smart Table」は2019年に初めて発売された。最初の商品は7種の野菜を使ったカポナータやラビオリなど4品を投入した。当時の背景を担当者は「共働きの世帯や子育てに忙しい方が増えていて、そうした方に手軽に美味しい食事を提供できる商品群として発売した」と話す。「Smart」という言葉自体に「スマートフォンから連想されるよう、前向きかつスタイリッシュな雰囲気があり、この言葉を使った」とも振り返る。

コロナの感染拡大以降、トレー入り惣菜はコンビニで大きく支持を得た。この商品群はすべてトレー入りの商品だったため、時代を先取りしていた商品群とも言える。

発売当初は洋風総菜の商品群として認知されていたが、エスニック料理や大豆ミート使用のメニューの発売など、徐々にブランドで訴求する価値は変化していった。担当者は「当初は洋風総菜に限って展開を進めてきたが、「マ・マー」の枠に収まらない、新たなものに挑戦するために、洋風総菜にこだわらず、食卓をサポートするというコンセプトはそのままに幅広い商品展開を行えるようにした」と語る。 商品を考える中で、「青の洞窟」や「マ・マー」といった既存ブランドに収まらないような商品もあった。そこで、食卓をサポートする「SmartTable」シリーズから商品の発売に至った。

まずは2021年春に「Smart Table ル・ベトナミーズ」として2種のフォーを投入した。2021年秋に、大豆ミートを使用した汁なし投入担々麺と、ガパオまぜ麺をそれぞれ発売している。ドライ商品は2022年2月に温めた白米の上にかけるだけで丼ぶりメニューを作れる。「のっけめし」を発売した。自宅でなかなか作れないメニューで着実な支持を得てきた。

そして今秋、新たな提案としてミニチュロス2品を発売した。これも家庭では作りにくく、スナック需要の高まりから商品を開発したという。

今回はTVCMなどの販促企画を積極的に展開する。10月9日から、ミニチュロスの特徴である食感を訴求するため、ASMRを活用したCMを放映している。香りまで想像できるよう、ストップモーション(コマ撮り)とイラストを活用している。YouTube では日常だけでなくハロウィンやクリスマスなどのイベントでの楽しみ方を紹介した広告を展開している。

10月15日~30日までの土日には、東京・埼玉・神奈川の商業施設3カ所でキッチンカーを使った無料サンプリングを実施する。15日・16日は東京スカイツリータウン、22・23日はイオンレイクタウン、29日・30日はららぽーと横浜でそれぞれミニチュロス2品を配布する。他にもSNSキャンペーンや、「APEX LEGENDSGLOBAL SERIES APAC North」への協賛で認知向上に取り組んでいる。

「ミニチュロス」無料サンプリングで使用するキッチンカー
「ミニチュロス」無料サンプリングで使用するキッチンカー

さまざまな施策で常温と冷食の両方で訴求を強めており、今後は冷食と常温商品で相互に利用してもらえるような状態を目指していく。担当者は「長年小麦を扱ってきた会社なので、その知見を活かせるような商品を広げたい」と語った。

〈冷食日報2022年10月20日付〉

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発行:
昭和47年(1972年)5月
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