テーブルマーク松田次期社長、この3年でまかれた種「一日も早く大きな花を咲かせたい」、「うどんのTM」から「冷凍麺のTM」へ

(左から)吉岡社長と松田次期社長
(左から)吉岡社長と松田次期社長

テーブルマークは12月15日、都内ホテルで年末記者会見を開いた。吉岡清史社長をはじめ次期社長の松田要輔常務執行役員営業本部長らが列席。松田次期社長は社長就任の抱負として「吉岡社長が務めた21~23年で人々の生活スタイルは劇的に変化した。今までの非常識が常識になるような中でかじ取りをしてもらい、たくさんの種をまいてもらった。いま芽が出てきているところなので、しっかり育て、一日でも早く大きな花を咲かせていきたい」と述べた。

松田次期社長は24年度の方針について、引き続き「技術に立脚した顧客価値を創出し、市場創造に挑戦し続ける」という中長期のテーマに基づき、また「食事をうれしく、食卓をたのしく。」という今期策定したJT加工食品事業のパーパスの実現を目指すとした。

重点施策として、品群ポートフォリオの見直し・新たな市場への挑戦・サステナビリティへの取り組み――の3つを挙げた。

品群ポートフォリオの見直しについて、「コロナ禍の厳しい環境の中、価格改定を含め事業や商品の見直しを続けているが、今後も各品群のポジショニングや役割に応じた戦略を策定し遂行していきたい」とした。

来年の発売50周年を迎える冷凍うどんは各種施策を打っていくが、現在の「うどんのテーブルマーク」から「冷凍麺のテーブルマーク」を目指したい考えだ。現在注力している具付きラーメンの拡大が当面の課題となる。

冷凍パンやデザートも「まだ大きな柱になっていない」として拡大を図るとした。

パンでは茨城の生産子会社サンバーグに石窯オーブンを再現したラインを設置したことが、明かされた。来春には新商品を発表する予定だ。

新たな市場への挑戦について、1つは「BEYOND FREE」の拡売とした。「直近ではアレルギー対応商品、おからこんにゃく、米粉麺など継続的に商品を投入している。新たな技術を活用した商品を投入して市場創造へのトライアルを加速させたい」とした。また「ビヨンドフリーはまだ始まったばかりだが、パーパス実現に欠かせないと考えており必ず実績を残したい」と意気込んだ。

もう1つが海外への挑戦だ。「具体的な進捗に至っていないが、国内の人口減を考えると、地理的拡大は行わざるを得ない。今まで以上に加速させたい」として道筋をつけたいとした。

サステナビリティへの取り組みについて、「持続可能な社会の実現に向けた企業の取り組みが欠かせない世の中になっている。現在も食品廃棄物や温室効果ガスの削減といった環境負荷の軽減や、環境配慮型包材の使用、特定原材料に配慮した商品の提供なども実施しているが、継続していきたい」と述べた。

〈グループ加食事業一体となりパーパス実現〉

吉岡社長=今年の年初にテーブルマークグループと富士食品工業グループを含めたJT加工食品事業としてのパーパスを策定した。キーメッセージは「食事をうれしく、食卓をたのしく。」だ。

単においしいという価値を届けるだけでなく、期待を超える驚きや新たな食との出会いという「うれしい食事」、そして大切な人と一緒に食べる喜び、笑顔をもたらす「たのしい食卓」を届けることで、お客様の心豊かなひとときを、我々が一丸となって生み出し続けていきたいという思いを込めている。

これまで以上に、JTと富士食品工業、テーブルマークが一体となって、このパーパス実現に向けて走っていく。

今年は〈1〉高収益な事業体制への転換と〈2〉高付加価値商品の提供に向けた取り組みの加速の2つに取り組んだ。

高収益な事業体制への転換を目指し、組織変更を行った。戦略本部内に開発と調達の機能を集約することで、商品の企画開発からプロモーションまでの一元化によるスピード感アップとマーケティングの強化を図った。

また営業本部に物流部門と海外事業部門の2つを組み込んだ。海外事業はまだこれからだが、現在、輸出の出荷は好調に推移している。

高付加価値商品の提供に向けた取り組みとして直近では、茨城のサンバーグにベーカリーラインの設備投資を行った。もう1つが「BEYOND FREE」ブランドの立ち上げだ。

〈冷食日報2023年12月19日付〉

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創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
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