尾家産業春季提案会 東京を皮切りに全国13会場で開催、目玉企画「OIE BAKERY」で製パン領域に踏み込む

尾家産業春季提案会 東京を皮切りに全国13会場で開催
尾家産業春季提案会 東京を皮切りに全国13会場で開催

尾家産業は18日、都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)で2024年春季提案会を開いた。東京会場の開催を皮切りに3月にかけて全国13会場で順次開催する。トータルテーマは「MIX(ミックス)」とした。出展メーカーと尾家産業が商品とアイデアを掛け合わせて新しい価値を提供していくというコンセプトだ。「掛け合わせは無限大なので、お客様のニーズに合わせた提案をしていきたい」(尾家社長)とした。

出展商品3,361品、うち新商品230品。出展メーカーは総計164社、うち初出展は4社。東京会場ではスリィ・サポートとフレッシュ・フード・サービスが初出展となった。来場者数は総計5,290人、東京会場は750人を見込む。

目玉企画は「OIE BAKERY(オイエベーカリー)」だ。本格的な湯種パンを手軽に作れる専用ミックスや汎用性のあるドライイースト、バターの代用となる大豆性油脂などの製パン素材と、ハイクオリティな成型冷凍パンを提案した。尾家社長は「これまでパンに挟むコロッケなどを得意にしてきたが、パン領域に入っていく。専門的な食材の取扱いにもチャレンジして製パンやホテルのベーカリーに、また高齢者もパンを好むのでヘルスケアのお客様にも紹介できる。中食の拡販策にもなる」とした。

メニュー提案の「おっ!SOUZAI」コーナーでもパンに合うメニューを提案した。

おせちコーナーにも注力した。昨年自社ブランドの一段重商品を発売したが、さらなる伸びを見込めるとしている。冷凍おせちのほかOEMおせちの提案を行った。

〈伸び率鈍化の懸念も通期1,050億円、物流課題は三位一体で〉

提案会開催に際して専門紙向けに記者会見を開いた。その中で尾家健太郎社長が全社概況について、東日本統括の松林克次上席執行役員が東日本地区の概況について、それぞれ説明した。

尾家健太郎社長(左)、松林克次上席執行役員
尾家健太郎社長(左)、松林克次上席執行役員

尾家社長は「当期第2四半期まで増収増益で推移しているがこの間、上方修正を2回行っている。外食の回復度合いを読み切れず、慎重な見立てをしていたが、今のところ通期売上高1,050億円、営業利益29億円に向けて取り組んでいる。配当も増配して当社として最高の年間60円を予定している」とした。

第3四半期も外食とホテルが業績を牽引し、予算を上回る推移。へルスケアフードも順調だ。

一方で今後の見通しは「消費者の節約志向が気になる。また急回復した去年の反動で伸び率は鈍化すると見ている。今回の提案会などを通じて鈍化を抑えたい」とした。

増益要因については「値上げを実行できていることが大きい。またコロナ禍においてコストコントロールを徹底的に進めたことで収益力が上がっている」とした。

重点項目とする〈1〉PB〈2〉MVF=ミート・ベジタブル・フィッシュの素材品〈3〉ヘルスケアフード〈4〉中食――の4つは、いずれも4~12月で前年を2桁上回った。そのうち中食は外食市場の回復の影響で予算には届かなかった。

4月に組織変更する。「この20年で売上げは2倍になり、現体制に合わない部分が出てきている。昨年の社長交代もあり、新体制で飛躍の年にしたい。今年は人や設備への投資も積極的に行いたい」とした。

東日本地区は12月まで全社の伸びを若干上回る推移。ただ19年比では5~6%下回る状況だ。外食は昨対20%以上、ホテルも1.5倍程度伸長している。構成比は高くないが、ヘルスケアも給食も順調に伸びた。中食は5~6%の伸びと他に比べると伸び率は小さい。

物流面の課題について松林上席執行役員は「仕入れ先のリードタイムが広がっており、当社のお客様へのコスト負担を抑えるためにも事前の受注やEDI化など、三位一体で最適化するためのお願いもしているところだ」とした。

〈冷食日報2024年1月19日付〉

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