コンビニの冷凍食品が堅調推移/冷凍フルーツ・麺など人気「簡便・コスパ・健康」ニーズは継続か
コンビニの冷凍食品は依然として堅調な推移を見せる。冷凍スイーツや冷凍麺などの販売が順調で、最近では使いきりサイズと、徳用サイズの支持も高まっているという。大手3社は独自の取り組みを強めつつあり、売場はさらに変化する可能性を秘めている。
〈冷食市場全体は成長傾向、コンビニでは冷凍フルーツ・麺など人気〉
冷凍食品市場全体は、メーカー各社の値上げの影響はありつつも、売上・数量ともに成長傾向にある。中でも、1食完結型のワンプレート商品や、冷凍麺などの「コスパ」「タイパ」の需要に応えた商品は着実に販売を広げている。コンビニでも冷凍麺は着実に伸びているカテゴリーだ。中でも、油そばや台湾まぜそばといった汁なし麺が好調で、品ぞろえは増えつつある。
冷凍フルーツも成長カテゴリーの一つ。韓国スイーツの「タンフル」ブームをきっかけに若年層がコンビニで冷凍フルーツを購入することが増えている。最近では「アサイーボウル」や「チョコバナナ」などの商品の販売が広がり、売り場での存在感は高まっている。
〈コンビニ3社の動向と今後の展開〉
各社の動向は、セブン‐イレブン・ジャパンでは「セブンプレミアム」シリーズが引き続き堅調に推移した。2024年に新たに投入した、ひと手間加えることで本格的な料理を楽しめる「クックイック」シリーズも着実に広がりを見せている。
ローソンでは冷凍おにぎりと、冷凍惣菜パンの展開を本格的に進める。冷凍おにぎりは、中食ベンダーと同じ設備をそろえた工場で製造しており、常温で提供している商品と同等の味わいに仕上げた。食品ロスの削減にも期待を寄せている。
ファミリーマートでは、パスタの値下げに踏み切ったところ、数量だけでなく販売金額も前年を上回った。店頭では毎週金曜日に実施している2個購入することで割引する施策が、トライアル利用を促しているという。
今後の市場では、「簡便・コスパ・健康」のニーズが軸となるのは続くとの見通しだ。コンビニでは来店者の獲得に力を注いでおり、こうしたニーズに沿った商品の投入で、新規利用者の獲得につなげる。
セブン‐イレブン・ジャパンは、冷凍食品の購入者をより広げるべく、惣菜や米飯、パスタといった各カテゴリーの品ぞろえなどを継続して見直す。同社らしさを追求した商品も投入し、認知と利用の拡大を図る。
ローソンは、現在の主力である米飯と調理麺、フルーツの提案により力を注ぐ。季節性やトレンドにあった商品と、定番商品の両面で提案を進める。また、冷凍おにぎりや、冷凍惣菜パンも認知を高めるための取り組みを行う。
ファミリーマートは、既存の冷凍食品の枠にとらわれずに話題性や独自性を重視して商品開発を進める。冷凍スイーツやパンなど新たなカテゴリーの展開も検討しているようだ。
他にも、各社とも有名飲食店監修商品やコラボ商品の投入は視野に入れているという。認知を広げる取り組みと並行して新たな商品を提案することで、コンビニらしさを発揮した冷凍食品を目指す。
〈冷食日報2025年11月18日付〉







