2月の牛肉需給展望 1月は12月上回る高値相場に、2月も高値維持へ

15年1月の東京食肉市場の規格別の価格(消費税8%込み)は、和去A5で前月比30円高の2,473 円、A3で151円高の2,127円、交雑B2は39円高の1,314円、乳去B2は12円高の938円と、14年12月の相場を上回る事態となった。12月は、年末の高値を警戒して、各社が早めの手当てを行った結果、11月後半をピークに下げる形となった。しかし、各社とも年末の手当てを控えたことで、年明け時点での在庫が少なく、1月に入り一斉に在庫補充と量販店のオーダーに応えるための手当てを行ったことで、12月を上回る高値となった。特にA3、A2の価格上昇が目立つ。枝高を踏まえ、冷凍在庫を持たず売切っていたことで、わずかな手当ての集中でも相場にダイレクトに影響する傾向が強まっている。

2月の見通しだが、成牛の出荷頭数は農畜産業振興機構の予測によると、4.8%減の8万1,900頭、うち和牛の出荷は5.9%減の3万4,400頭が見込まれる。2月ということで末端の売れ行きが回復する要因は見られないが、出荷頭数が特に地方で少なく、カット場の稼働率を勘案して最低限の手当てをしても相場が上昇してしまう厳しい状況だ。大手量販店の特売はほとんど見られなくなり、逆に特売をしようにも物が集まらない。後半は大手量販店の決算期で在庫を縮小させ発注も少なくなるため下げるにしても、相場が大きく低下する要因は見られず、高値の1月をやや下回る水準にとどまると見られる。その結果、和去A5で2,450円前後、A3で2,100円前後、交雑去勢B2で1,300円前後、乳去B2は920円前後と見られる。