豚肉の小売価格、税抜248円で最高値に、輸入牛肉は302円で前年比3.1%高

円安や配合飼料価格の高止まりに伴う食肉の生産・調達コスト高で、末端価格への価格転嫁が大きな課題となっている。今年度に入ってからも外食各社は値上げを発表しているが、卸売価格の上昇推移という情勢のなか末端流通で昨年に続いて売価への転嫁が求められており、小売価格も豚肉や輸入牛肉を中心に値上がり傾向を強め、昨春以降、徐々にだが末端価格への転嫁が進んでいる。

農水省消費・安全局の全国の量販店の平均小売価格(各都道府県約10店舗程度の量販店など約470店舗)によると、今年3月の平均価格は輸入牛肉(冷蔵ロース)が100g当たり326円、国産牛肉(同)が同709円、豚肉(ロース)が同268円、鶏肉(もも)が同134円となった。これを税抜き価格で換算したうえで前年同月と比較すると、輸入牛肉が302円で前年比3.1%高、国産牛肉が656円・2.5%高、豚肉248円・6.9%高、鶏肉124円・3.3%高となり、豚肉が昨対比で最も値上げ率が高く、過去11年で最も高値となった。豚肉の枝肉相場は季節変動が大きいものの、小売価格は09年を除いて概ね230円前後で推移を続けていた。だが、今年3月は港湾問題に伴う北米産チルドの供給量の遅れから小売店での販売計画が立てにくく、豚肉のフェースを埋めるため相場高の国産豚肉の扱いを増やしたことが小売価格に反映されたとみられる。輸入牛肉もオセアニア・北米産ともに外貨高・円安などコスト高を反映して3.1%値上りした。一方、出荷頭数減による枝肉相場高が続く国産牛肉は2.5%高と小幅な上げにとどまった。