【本格的なBBQシーズンを迎えた北米豚価動向㊦】 季節的な現地相場高の影響は限定的も、急激な円安が懸念材料に

[米国価格動向]生体、枝肉、カットアウト、カットアウトにおけるモモ・ロイン・72%トリミング・ベリーの週平均価格(表はカットアウト、ロイン、ベリー)をみると、年初から全てのアイテムで前年同期割れの傾向が継続している。5月16日の週では、カットアウト価格は100ポンド当たり83.18ドルで前年比26.5%安、部位別にみると、ロインは13.2%安、ベリーは46.6%安となっている。これは、昨年のPEDによる異常高値から一転して今年の出荷頭数増・豚肉生産高増による結果と言えるが、それだけではなく、円安による輸出動向など様々な要因が重なった結果とみられる。

UsMEFが発表した今年1~3月の米国豚肉累計輸出数量は、前年比で12%減となっているが、この輸出減少の原因は2月まで続いていた西海岸での港湾労働問題とUsドル高と考えられる。

EUの統計では3月の豚肉輸出量は2002年3月の記録的輸出量以来の13万9,000tと膨れ上がった。これはアジア・オセアニア向け、特に中国・韓国・豪州への輸出量が大きく伸びたと言われる。また豚内臓の輸出量も前年比29%増の10万6,800tで、中国・韓国市場がけん引し船積み数量はほぼ倍になっており、この輸出量増の原因はUsドルに対して19%安となっているユーロ安のためであると報告されている。