【7月の鶏肉需給展望】モモ肉は日経平均615~620円、ムネ肉345円前後か

2015年6月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)をみると、モモ肉は前月比13円安の620円、ムネ肉は5円高の342円となった。モモ肉は、上旬620円、中旬620円、下旬621円と5月下旬の625円から下げた後は下げ止まり、620円を維持して推移した。ムネ肉は、上旬340円、中旬343円、下旬343円と、340円を超してさらに上昇した。

6月は、モモ肉は季節的に下げ、年末向けの凍結回しも、ある程度はやり易くなると見られていたが、下げ幅は13円にとどまった。ムネ肉はさらに上昇し、結果的にモモ・ムネとも物不足を痛感する形になった。

日経平均(税抜)でみると、モモ肉で前月比9円安の612円、ムネ肉は5円高の340円で、合計では4円安の952円となった。

7月見通しでは、農畜産業振興機構の需給予測によると、同月の生産量は1.2%増の12万3,000tが見込まれる。日本食肉輸出入協会によると、7月輸入量は6.8%減の3万9,700tと予測される。また、今年は梅雨の中で雨が多いが、9日までは気温が低めで安定していることで、生産は九州、東北とも順調で計画を上回って推移しているという。しかし、在庫が少ない中で、モモ肉の年末向けの凍結回しにより、不需要期ながらタイト感が続いている。7月に入ってからは、すでに6月下旬を底に相場は上昇しており、これ以上下げることは考えづらい。また、ムネ肉の需要は底堅く、価格は高止まりしている。これらの結果、7月の相場は、モモ肉は6月を上回り、月間平均では625~630円(日経平均で615~620円前後)、ムネ肉は345円前後(同)と見込まれる。