15年4Q牛肉生産量61.8億ポンド、豚肉65.5億ポンドに上方修正-UsDA

米国農務省(UsDA)が16日に公表した食肉需給予測によると、ことし第4四半期の生産量は牛肉と豚肉が前月発表時からそれぞれ1億5千万ポンド・4千万ポンド上方修正された。この半面、鶏肉が2,500万ポンド下方修正されている。肥育牛1頭当たりの出荷重量や母豚1腹当たりの産子数の増加などが生産量に影響した。その一方で、出荷重量の増加と牛肉需要の低迷で生体価格は大きく下落しており、去勢牛および肥育素牛ともに各四半期で下方修正されている。

繁殖雌牛の保留が進んでいる一方で、肥育牛の出荷頭数が減少しているなか、肥育期間の長期化やフィードロットに重量級の肥育素牛が導入されている。この影響で、牛肉生産量は年間ベースこそ過去十年で最低水準にあるものの、改善傾向にある。15年第4四半期が前年同期比2.6%増となり、16年第1~3四半期も前年増となる見込みだ。一方、上述の通り生体価格はことし下半期以降、下落しており、15年第4四半期の去勢牛価格は100ポンド当たり129~135ドルと前回予測(145~153ドル)から十数ドルも下落している。16年第1~2四半期も下回る見通しだ。牛肉輸出は米ドル高を受けて16年第1四半期までは昨対割れになる見通し。

豚肉は1腹当たりの産子数の向上や分娩母豚頭数が増加するなどPEDvの影響から脱して飼養頭数は過去最高水準にまで大きく改善している。このため生産量は15年第4四半期が前年同期比6.8%増加、16年第1~2四半期も前月予測から上方修正されている。生体価格も上方修正されているが、第4四半期で40ドル台後半、16年第1~2四半期も40ドル台後半から50ドル台前半で推移しそうだ。鶏肉は、生産量が第4四半期および16年第1~2四半期が下方修正されたが、各四半期ともに昨対を上回る見通し。ただ、生産量の増加と鳥インフルエンザによる鶏肉輸出の減少で国内在庫は過剰気味となっており、結果、鶏肉価格も下方修正され第4四半期から16年第2四半期までは前年水準を下回る見込み。