「原料原産地表示を行うことで自給率向上へ」と平牧工房の志田製造部長、次回から論点整理-原料原産地表示検討会

農水省と消費者庁は13日、東京霞が関の中央合同庁舎で第5回「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」を開いた。今回は、平田牧場の加工部門である平牧工房はじめ中小事業者5社からヒアリングを行うとともに、世界で唯一加工品の原料原産地表示制度を導入している韓国の状況、埼玉県内のスーパー(1店舗)での加工食品の自主的表示の状況調査、検討会でのこれまでの意見について事務局から報告が行われた。

今回の中小事業者のヒアリング、その後の意見交換でも賛成・反対と意見が分かれている。事務局から「これまでの意見」が提示されたが、あくまでもこれまでに出された意見の紹介であり、次回以降、「論点整理」に向けた議論が行われることになる。なお次回の日程は7月26日が予定される。

中小事業者からのヒアリングで、平牧工房の志田賢製造部長は、「原料原産地表示を行うことで消費者が国産原料を使った商品を選び、国内生産が安定することで自給率向上につながる。ハムソーは表示されず、消費者は適切な選択ができないことで、ハムソー原料に使われる国内産比率は、20年前に40%台だったが、昨年度は21%と半減している。TPPが発効すれば、ますます自給率が下がる中で、国産との表示が行われることが畜産生産を守ることになる。表示は、国産、国産と輸入が混在する場合などが想定されるが、まず国産を使っていることが分かることが求められる。きちんと選択できる分かり易い表示が必要だ。また表示コスト(包装資材の切り替えなど)を考えれば、“国産○○%以上”との表示がコストがかからない。食料自給率は40%割り込み、世界人口が70億人を超し100億人と言われる中では食料自給率の向上は必須。国民一人ひとりが国産を意識し応援することで自給率向上につながる」と、養豚事業者の立場で意見を述べた。