5月の豚肩肉調製品輸入1.1万t、うち米国産0.8万tに減少、チルド原料が影響か

貿易統計によると、5月のシーズンドポークなど豚肩肉調製品は前年同月比で27.9%減の1万668tにとどまった。シーズンドポークの輸入量は、ソーセージ原料として使い勝手がよいことから、ピークの2014年5月には1万6,000t弱まで増加した。しかし、その後は現地相場の上昇で減少、さらに昨年11月からはWHOの影響によりソーセージ生産量が抑えられたことで9,000t前後で推移していた。しかし、14年11月には1kg当たり456円まで上昇した輸入価格も16年4月には288.9円まで低下、WHOの影響も薄れたことで4月の輸入量は1万3,370tまで回復した。しかし今回、1万668tと前年比で3割近く、前月比で2,702t減少した。

輸入価格自体は、上述のように下げており、減少した要因としては、チルドのクッションなどが多めに入り、ソーセージ原料としてシーズンドではなく原木のクッションなどを使用する例が増えていること、さらにソーセージの生産量もWHO影響は薄れるものの、伸びきれていないことが挙げられる。現地相場の低下で、一直線に1万5,000t前後まで増加するとの観測もあったが、ソーセージ需要の動向、チルドの加工原料の輸入量との関係で、ここ数カ月は1万~1万2,000tの範囲で推移するとの見方が多い。

肩肉調製品の輸入量を国別にみると、米国が前年比30.4%減の8,082t、カナダは52.8%減の1,127tとなっている。カナダが半減、米国も3割減少した。表以外では、ドイツが725t、オランダが456t、メキシコ101tなど。

5月の肩調製品の価格(CIF価格)は、米国がkg当たり287.6円(前月288.9円)、カナダ285.3円(前月288.6円)、全平均287.3円(前月290.3円)となった。その他では、オランダは237.7円、ドイツ280.3円だった。