米国産チルドビーフの1月入荷玉は、チャックアイ下げも円安で下げ幅縮小、 ショープレの外貨は前月並で為替分コスト上昇、強気で買えない状況に

米国産チルドビーフの12月生産・1月入荷分の成約が決着した(一部既報)。前月に上昇したチャックアイロールは外貨で100円前後下げたが、同様に上昇したショートプレートは横ばいでの決着となったもようだ。しかし、為替はこの1カ月で大きく円安に振れ、このコスト上昇が大きくのしかかる。どの時点での為替が反映されるかは各社で違うが、10月31日は104円台、ほぼ成約が終わった11月22日は111円台(28日午前では112円台)であり7%近い円安となっている。このため為替だけで5~7%のコスト上昇が想定される。

11月生産・12月入荷玉の仲間相場は、現地パッカーから旧正月手当てなどによる現地相場高を踏まえ値上げのオファーがあったことでショートプレートは750円前後、チャックアイロールはチョイスで1,300~1,350円となったが、12月生産・1月入荷玉は、為替を踏まえればショープレ790円前後、チャックアイは1,250~1,300円と見込まれる。このため、末端小売価格を上げざるを得ず、いくら年末に出回る商品と言っても、手当ては絞られたと見込まれる。

現状の荷動きをみると、ここまでは今ひとつだが、11月入荷玉は手当てが絞られたことで、荷動きが鈍い中でも適正な需給を保っている。12月入荷玉についても、前述のように相場高で思い切った手当てができないことで、現状の荷動きでもタイトな状況が続くと見込まれる。

24日には首都圏で降雪があるなど真冬の寒さとなり、12月に入れば需要が回復すると見込まれるものの、年末商戦の動向も不透明な中で、年明けの1月入荷玉を強気の手当ては難しいところだ。

米国産チルドビーフについては、品不足だった今年3月を踏まえ、4月以降、ショープレ、チャックアイを中心に多めの手当てが行われた。その結果、輸入量は4月から8,000tを超し、大型連休が終わった6月に9,400t、7月にも9,600tと、不需要期にも関わらず大量輸入が行われた。チルフロや一部で投げも出るなど、輸入ビーフ市場が混乱した経緯がある。これらは8月の旧盆時期で消化され、その後は手当てが絞られる中で、輸入ビーフ需給は適正な水準で推移している。

前回の年末年始は、焼材は良かったものの、スライス系が不振で、1月になってからショープレ、チャックアイは一部で投げが見られる状況だった。しかし、今回の12月生産・1月入荷玉では、円安によるコスト高で引き続き多めの手当てはできない。一方で、必要最小限に手当てを絞ることで、コスト上昇が反映しやすいことも想定される。