ぐるなび「全国ジビエフェア」開催、捕獲鳥獣を地域資源として有効活用、多面的にジビエを楽しむ「ジビ活」発信

ぐるなび「全国ジビエフェア」記者発表会の様子
ぐるなび「全国ジビエフェア」記者発表会の様子

(株)ぐるなびは農水省の全国ジビエプロモーション事業(ジビエフェア開催事業)の事業実施主体として、11月1日から2023年2月28日までの期間、「全国ジビエフェア」を開催する。11月24日には東京都港区の八芳園で、全国ジビエフェアの記者発表会が開かれた。

農作物への鳥獣被害対策などのため鳥獣捕獲が増加するなか、捕獲鳥獣を地域資源として利用し「マイナス」の存在から「プラス」の存在に変える取り組みが推進されている。ことしで5回目の開催となる「全国ジビエフェア」では、ジビエを生活の中にちょっとプラスすることで、自分のため、他の誰かのため、社会のためにちょっとプラスになることなど、「プラスジビエ」をメインのコンセプトとして設定し、国産ジビエを取り入れることがSDGsにつながることも伝え、「多面的にジビエを楽しむこと=ジビ活」を盛り上げていく。

フェアには全国1,030店のジビエを取り扱う飲食店や総菜店、ホテル、小売店、ECサイトが参加し、今年度からジビエ(食用)だけでなく、ペットフードや革製品なども対象としている。

特設サイトでは、「おそとでジビ活」としてMAP上でジビエメニューを提供する飲食店を検索できたり、「おうちでジビ活」としてジビエなどを販売するECサイトを紹介しており、全国各地のジビエが食べられる・買えるお店の検索ができる。また、季節に応じたテーマを設け、テーマに沿ったさまざまなジビエの楽しみ方を提案するほか、各都道府県で行われるジビエ関連イベントなど、ジビエに関する情報を幅広く紹介していく。

開催にあたり農水省の農村振興局農村政策部鳥獣対策・農村環境課の藤河正英課長は、「鳥獣被害を減らすため、野生鳥獣の追い払いや侵入を防止するための柵の設置を推進するとともに、シカやイノシシの捕獲を進めている。しかし、捕獲された個体のうち、食肉として流通しているのは1割程度(猟師が自分で食べる分を除く)にとどまっている。このため、今後は流通量を増やしていくことで、農業や農村にとってマイナスの存在であった野生鳥獣を新たな資源として利用することでプラスに変える。ジビエの利用は自然の恵みを活用するサステイナブルな取り組みである」と述べ、農水省ではジビエの処理施設の整備への支援、衛生管理に関するガイドラインを定めるとともに、トレーサビリティなど一段上の取り組みを行う処理施設を認証する「国産ジビエ認証」制度を設けていることなどを紹介した。

発表会では、イノシシの捕獲から加工・販売までを手掛ける、くまもと農家ハンターの宮川将人代表、宮川水木代表、フレンチシェフから転身し狩猟、解体、食肉加工までを自らで行う、(株)KURKKU FIELDS シャルキュトリーシェフの岡田修氏、千葉県の「君津ジビエ」のメニューを開発する、(有)Stay Dream Project「君鶏」の篠塚知美取締役が登壇し、ジビエの魅力やジビエ活用への取り組みを紹介した。

くまもと農家ハンターの宮川代表は、「地域と畑は自分たちで守る」という理念のもと、地域の若手農家で「農家ハンターイノ☆ベーション」を組織し、イノシシ被害による離農ゼロを目指している。また、捕獲したイノシシを有効活用するため、食肉処理施設「農家ハンター☆ジビエファーム」を立ち上げ、イノシシの捕獲から加工・販売までを手掛けている。

宮川代表は「鳥獣被害に対する“対策”だけではゼロに近づけるだけ。ジビエを資源として活用することで、マイナスをプラスに変える、地方創生のチャンスにすることを目指している」と語った。

ゲストに映画コメンテーター/タレントのLiLiCoさんを迎えたトークショーでは、ジビエ料理やサステイナブルな考えが文化として根付くスウェーデン出身のLiLiCoさんが、自らのジビエ料理との関わりやその魅力を伝えた。「ジビエを知らない人に知ってもらう、そして実際に食べておいしさを感じてもらう、そうやってジビ活でつながっていってほしい」と述べた。

◆「全国ジビエフェア2022」特設サイト

〈畜産日報2022年10月25日付〉

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