中食・外食の業務用専門展「FABEX2023」開幕、スターゼン・大塚食品・アマタケなど出展、取り組みや商品・試作品を紹介

スターゼン・短角和牛を原料にしたハンバーグ
スターゼン・短角和牛を原料にしたハンバーグ

総菜デリカや弁当、中食・外食業界の業務用専門展示会「FABEX2023」が4月12日、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開かれた。

開催期間は4月14日までの3日間。初日には3年ぶりにオープニングセレモニーも執り行われ、展示会主催者や関連業界の代表、来賓を迎えて盛大に開幕した。

畜産関連では、スターゼン、大塚食品、アマタケなどが出展した。

このうち、スターゼンは、北里大学八雲牧場(北海道八雲町)で育てた短角和牛のハンバーグや、低温加熱の「氷感熟成」商品を展示、さらに外食チェーンの「俺の株式会社」との共同開発・販売事例も紹介していた。

スターゼンでは、長年渡ってサステナビリティの取組みに力を入れており、その一環として今回、北里大学八雲牧場で育てた短角和牛を原料にしたハンバーグを出展した。短角和牛は繁殖から肥育まで同牧場で一貫生産され、100%自給粗飼料で飼育されている。牛の排せつ物をたい肥にし牧草を育てる環境保全型畜産に取り組んでいる。

また、北里大学は2009年に肉用牛として日本初の「有機畜産物JAS」の認定も受けている。両者のサステナビリティの取組みに対する業界からの注目は高く、長年開発を行った資源循環型畜産の取組みを重視し、今後はブランディングにも携わる予定という。

一方、「氷感熟成」商品は、マイナス温度帯のまま肉を熟成させることで、うまみやコクのある、おいしくて柔らかい肉質になるという。今回の展示会では、低温加熱を行った「桜チップのスモーク香るローストビーフ」「氷感熟成国産豚肩ロース使用ローストポーク」のスライス製品や原木を展示した。また、メニュー提案も行っており、ローストビーフの原木を鰹節のようにスライスする「極薄ふわふわ丼」なども紹介した。

このほか、スターゼンと「俺の株式会社」の共同開発・販売事例も展示された。「俺の株式会社」にとっては、スターゼンと共同開発することで、量販店への販路開拓が可能となる。両社の共同開発の事例としては「紅ずわいがにのグラタン~オマール海老風味~」を商品化しており、現在はイトーヨーカドーなどで販売しているという。

スターゼンと共同出展した大塚食品は、「ゼロミート」シリーズのハンバーグ、ソーセージ、ハムなどを、レシピ提案とともに紹介し、レストランなどの業務用商品を提案していく。「ゼロミート」シリーズは、大豆臭さがなく、食べ応えがあり、想像以上においしいと評判で、とくにハムとして展開しているのは珍しく、食感も実際のハムとそん色がないと評価を受け、業界からも注目を集めているという。

大塚食品「ゼロミート」シリーズ
大塚食品「ゼロミート」シリーズ

アマタケは、国産合鴨肉、サラダチキン、常温保存などの業務用商品やOEM商品に加えたほか、新たに試作した「“骨まで食べられる”手羽先煮」を紹介した。

常温保存商品は約1年の保存が可能で、具体的にはチキンフレークなどを紹介した。業務用商品の展開にも注力しており、サラダチキンの売上げは好調で、チキンフレークも学校給食やベンダー企業でサラダのトッピングとして利用されているという。

試作品の「“骨まで食べられる”手羽先煮」は缶詰製造企業と共同開発したもので、新食感でかつ骨のゴミが出ない点も特徴という。

アマタケ「“骨まで食べられる”手羽先煮」
アマタケ「“骨まで食べられる”手羽先煮」

〈畜産日報2023年4月13日付〉

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