〈日本コカ・コーラ、「カナダドライ ザ・タンサン」で炭酸水市場に本格参入〉
日本コカ・コーラが3月から炭酸水市場に本格参入する。2月7日に発表された新商品は「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」と「カナダドライ ザ・タンサン・レモン」の2品(490mlPETボトル/121円、3月26日発売)。ともに強い刺激とキレのある味わいにこだわった強炭酸水だ。

日本コカ・コーラ社の和佐高志副社長は、炭酸水市場について以下の通り語っている。

「近年の炭酸飲料市場の中で、最も高い成長率を示しているのが炭酸水だ。炭酸水を飲む場面として、朝の目覚めの一杯や仕事中の気分転換、そして食事の際など、日本でも大人の年代を中心に炭酸水のストレート飲用、いわゆる直(じか)飲みが習慣化しつつある。また、昨今の消費者には、水にはない刺激と健康的価値から、炭酸水を飲んでリフレッシュしたいというニーズがある」。

〈急成長のきっかけは「ウィルキンソン」の直接飲用〉
炭酸水の生産量は、2006年の2万9000キロリットルから、2016年には20万6000キロリットル(7.1倍)へと大きく拡大している(一般社団法人全国清涼飲料連合会調べ)。

もともと炭酸水は、欧米で食事の際に飲まれていたが、硬水の商品が多かったため、軟水に慣れた日本人には直接飲用が定着せず、BARなどの割り材として長年親しまれてきた。10年前まではビン容器が多く、外食店向けの業務用商品の性格が強かった。その後、2009年から始まったハイボールブームがあり、家庭でもウイスキーを大容量のPETボトル商品の炭酸水で割るユーザーが増えてきた。

本格的な成長は、2011年にアサヒ飲料が「ウィルキンソン」の500mlをPET容器で発売したことがきっかけだ。同時期に、消費者の健康志向と、より無駄のない、ナチュラルでシンプルな商品を選ぶ傾向が強まったことも、炭酸水の直接飲用者の増加を後押しした。

「ウィルキンソン」は、1904年に日本で生まれて以降、バーテンダーなどプロから支持されてきた伝統あるブランドだ。中でも、「ウィルキンソン タンサン」は、炭酸水を「タンサン」と呼ぶきっかけにもなっている。ろ過によって磨き抜いた水と強めの炭酸ガスでつくった、キレのよいすっきりとした味わいが特徴。同社はそれまで家庭用では割材としての大容量PETが主流だった市場に、500mlPETの商品を投入し、家庭における炭酸水の直接飲用という新しい飲用スタイルを提案した。

その結果、同ブランドの販売数量は2008年に174万箱だったが、2011年には476万箱となり、2017年は1990万箱へと拡大している。10年で10倍以上の規模となっており、無糖炭酸ブームの立役者といえるだろう。

〈日本コカ・コーラに続き各社も注力 さらなる市場活性化へ〉
日本コカ・コーラの新商品「カナダドライ ザ・タンサン」は、同社史上最高のガスボリュームによる強い刺激と、独自の厳しい基準(マルチバリアシステム)による管理、水とともに炭酸ガスもフィルターを通す装置の採用で、澄み切った泡を実現したことなどが特徴。ゼロカロリー、無糖、ノンカフェインの設計だ。

同社の和佐副社長は、「直飲みに適した本当においしい商品の開発に取り組んだ。炭酸を強化するとすっぱくなりがちだが、独自処方ですっぱさのない、キレのある味にしている」という。

「ウィルキンソン」を中心に成長してきた炭酸水市場は、「ザ・タンサン」の登場で消費者の選択肢が広がり、さらに活性化しそうだ。春に向けてはサントリー食品も注力する動きがあるなど飲料各社が注目している。炭酸市場は“甘くない”勝負が繰り広げられそうだ。
「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」(左)と「カナダドライ ザ・タンサン・レモン」(右)

「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」(左)と「カナダドライ ザ・タンサン・レモン」(右)

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