〈黒田賢会長「宅配事業は国民生活のインフラになりうる」〉
日本栄養支援配食事業協議会は7日、設立総会を都内で開催した。加盟企業26社50人が見守る中、全ての議案が全会一致で可決した。会長はヘルシーネットワークの黒田賢社長、副会長は、はーと&はあとライフサポートの宮崎吉昭社長、事務局長はトーアスの岡本篤志常務取締役が就任。理事はニチレイフーズの大川真一氏、キッセイ薬品工業の小池昌志氏、日清医療食品の大東正人氏、シニアライフクリエイトの清水勝氏、タイヘイの大重尚道氏、武蔵野フーズの山本恭士氏、ワタミの青木一郎氏。

黒田会長は「高齢者の60~70%が低栄養と言われており、厚労省も、80・90歳を過ぎた方を手術や薬で治すことは無理があると考え、健常者を対象とした従来の医療ではなく、食事面からベースを整えることが大事と捉えている。

高齢者などへの適切な食事提供が課題である一方、外食業界では人手不足により、高齢者の家に食事を届ける体制をどう築いていくかが課題となっている。人手不足は価格高騰も招くため、経済的に疲弊している高齢者に食事を安く届けることも大事だ。そのような課題を整理するため、本会は設立された」と設立主旨を説明した。

具体的な活動として、〈1〉厚労省が昨年作成した「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」の普及、〈2〉特別用途食品制度に対して、腎臓病や糖尿病など疾患を持つ方に対応したお弁当の提言――の2点を挙げたが、「在宅に限らず一般の方にとって、食事は楽しむものだが、高齢者には老老介護の方や孤食の方も多い。いかにコミュニケーションの場となる食事を提供できるかも大事であり、将来的にはこういったところまで議論を進めたい」と補足し、「国民生活のインフラとなる大きなポテンシャルを秘めた宅配事業だが、これまで団体はなく、議論をする場もなかった。課題を整理し、国民の生活に反映できる団体を目指したい」と意気込みを語った。

5月7日時点の加盟企業は、ニチレイフーズ、日東ベスト、キッセイ薬品工業、国分グループ本社、ヘルシーネットワーク、はーと&はあとライフサポート、日清医療食品、シルバーライフ、武蔵野フーズ、タイヘイ、ヨシケイ開発、ワタミ、トーアス、トーカン、ドクターフーヅ、モルツウェル、パレット、ひまわりメニューサービス、ファンデリー、ベネッセパレット、ベルーナ、シニアライフクリエイト、ジョイント、ソーシャルクリエーション、栗木食品、グローバルキッチン――の26社、サンワフーズも加入予定だ。

日清医療食品の大東正人理事に話を聞くと「食宅便事業は事業を始めて6年に過ぎない。先輩企業と連携しながら業界発展に貢献したい。課題を乗り越え、当社のメーン事業になるよう成長したい」と話す。食宅便事業の売上は約50億円。更なる拡大を目指す。

〈新たな配食の取組みは大きな転換点に〉
設立総会後、先述のガイドライン作成に関わった厚労省健康局健康課栄養指導室の塩澤信良室長補佐が「これからの日本において配食事業者に期待される役割」と題して講演した。
厚労省健康局健康課栄養指導室 塩澤信良室長補佐

厚労省健康局健康課栄養指導室 塩澤信良室長補佐

地域包括ケアシステムと介護報酬改定の概要等を説明後、「配食事業者の皆さんは配食を通じて地域高齢者の自主的な健康管理を支援する地域包括ケアシステムの重要な担い手だ。新たな配食に向けた取組みは大きなパラダイムシフトにつながる可能性がある。皆さんには部分的施行で構わないので、できるところから始めて欲しい」と期待をかけた。

総会後、懇親会が開かれた。来賓の厚労省、消費者庁の担当者による挨拶の後、日本栄養士会の迫和子専務理事は「高齢者にとっての配食サービスは命をつなぐものである。食べることは生きること。日々食べられてこそ生きていける。健康に結びつく配食サービスであってほしい」と述べた。

第1回総会は7月4日14時に開催予定だ。

〈冷食日報 2018年5月9日付より〉

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