〈8月4日は「栄養の日」、8月1~7日は「栄養週間」〉
日本栄養士会は7月4日、東京都内で「栄養の日・栄養週間2018」と題したメディアセミナーを開き、現在の栄養問題について同会会長の中村丁次氏らが講演を行った。

同会は16年に8月4日を「栄養の日」、8月1~7日を「栄養週間」と定め、今年は「栄養障害の二重負荷解決を目指す」をテーマとして活動する。中村会長によると、現在の課題として、低栄養と過剰栄養が同集団内、また1個人に同時に発生する「二重負荷」が新たな課題となっているという。

個人に同時に発生する「二重負荷」では、メタボ対策による、生活習慣病予防が、高齢者のフレイル(虚弱)問題を助長するなど、年齢や状況に応じた栄養指導が必要となっている。中村会長は、研究成果を用いて、「65歳以上でのメタボ予防は効果が薄く、フレイル対策にしっかりと栄養を取るべきだ」と強調した。

従来の栄養問題は、時代・地域の集団特性により、日本の戦後や発展途上国での低栄養、先進国での過剰栄養による肥満と生活習慣病が発生してきた。現在は、同集団内で同時に両方の問題が発生している。発展途上国では、急速な経済成長により、富裕層に肥満と糖尿病が爆発的に増え、貧しい層の低栄養と同時に問題が発生している。日本や欧米でも、肥満や生活習慣病は増えているが、新しいタイプの低栄養状態が起こっているという。日本での低栄養は、若い女性、妊産婦、高齢者、傷病者の低栄養が発生しており、過剰栄養の問題と混在が起きている。

また、同じ人物内でも過剰栄養と低栄養が混在する状況も発生している。メタボ対策がテーマとなり、「痩せなければならない」「腹八分目」と心掛けてきた人が、高齢者となった時、フレイル(虚弱)となり、要介護の発生率などが高くなりやすいという。中村会長は、メタボ対策としての「腹八分目が有効なのは、20~30代の成人であり、3~15歳、65~80歳の高齢期には効果が無い」としている。

「高齢者になるほどしっかりと食べて、健康な生活を維持し、元気なお年寄りをつくっていこうというのが、これからの結論」だと説明し、講演を締めくくった。

〈食品産業新聞 2018年7月23日付より〉