〈量販店工場に惣菜向けベース食材の拡販狙う〉
冷食メーカー本社が東京に一極集中する中、巨大マーケットである関西や東海の現状を伝える「シリーズ 関西・東海の今!」をスタートする。これにより、各支社・支店の現状を詳らかにし、首都圏とは異なるマーケットの「今」をお伝えしたい。ニチレイフーズの大畑健一関西支社長と沖田健太郎関西支社支社長代理兼家庭用グループリーダーに話を聞いた。

大畑健一関西支社長=関西支社は、大阪、京都、兵庫、滋賀、和歌山、奈良の2府4県のエリアをカバーしており、支社がある大阪市北区を中心に放射線状に担当エリアは広がっている。家庭用冷食と常温スープを担当する家庭用G(グループ)、量販店の惣菜を担当する惣菜G、外食や給食を担当する外食Gの3グループが主に活動している。

今期(18年3月期)売り上げは目標を上回る着地を見込む。内訳は、家庭用G、惣菜Gがおよそ前年比2桁に乗る勢い。外食Gも前年を上回る。「悪くない経済状況の中、ヒット商品に恵まれている」と大畑支社長は話す。好調要因として、家庭用では看板商品である「本格炒め炒飯」が発売以来伸び続けているほか、昨年春に発売した「特から」が大ヒットしたことが挙げられる。また、「本格焼おにぎり10個」もリニューアルして拡販したことも売り上げアップに寄与している。

惣菜Gでは、有名シェフ監修による「Chef's spécialité」シリーズが順調に売り上げを伸ばしている。外食Gは家庭用・惣菜に比べるとやや伸びが鈍いものの、市場の伸びを上回っている。関西は外国人観光客のインバウンドの勢いが依然止まらず、消費額の約20%が飲食に費やされており、外食やホテルの朝食バイキングなどが伸長しているという。

関西圏の経済指標に目を向けると、「景気が上昇している感じがしない」という消費者の実感とは裏腹に、個人消費は増加しており、給与額も上昇している。関西支社に赴任する前は関東信越支社を担当していた大畑支社長は、関西圏の特徴について「商談の際に値引きを要求されるような厳しい面もあるが、一旦懐に入り込めば温かい」と話す。

来期は、今期と同程度の売り上げアップ率を目指す。課題として、家庭用Gでは重点カテゴリーである炒飯、唐揚げ、おにぎりをさらに伸ばすことを掲げる。惣菜Gでは、関西圏の大手量販店は自社の工場で惣菜を製造することが多いことから、チキンブイヨンなど惣菜の原料の開発・拡販を狙っている。「味のベースを売っていく。量販店の自営工場向けに商談を行い、徐々に成果が出つつある」という。外食Gでは卸と共同でいかにユーザー向けの提案をしていくかが課題だ。「これまで卸主導で行ってきたが、その先のユーザーにより入り込みたい」と息巻く。

支社全体の課題としては、部署のグループ間を越えた横連携を強めていきたいとする。現在、月に1回各グループの担当者が集まり市場のトレンドや課題を発表する場を設けているが、「他部署の社員ともより自発的に交流を深めてほしい」と話す。

〈「強いカテゴリーは配荷率100%目指す」=沖田家庭用Gリーダー〉
家庭用Gは現在2チーム構成。エリアではなく担当の卸別に、20代~40代のメンバーで編成する。
家庭用Gは担当の卸別に20代~40代のメンバーで編成

課題について沖田Gリーダーは「末端到達力をいかに高めるか。強いカテゴリーの商品は配荷率100%を目指している」と話す。このため、直接商談していない小売店にも年2回巡回し、陳列棚をチェックして徐々に配荷率を上げているという。また、この春新商品として「切れてる サラダチキン」が発売されたことについて、「事前調査では品質はもちろんのこと汎用性の高さが評価されており、1度お使いいただければ『常備素材(食材)』として継続購入が見込める商品。いかに認知度上げ、手に取ってもらうかがポイントだ」とする。

〈冷食日報 2018年3月28日付より〉

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