日本冷凍食品協会がこのほどまとめた調査報告「飲食店における外国人旅行客の影響及び冷凍食品に関する調査」では、インバウンド消費が飲食店にどの程度影響を及ぼしているのか、またそれと冷凍食品の店舗での利用実態との結び付きについて明らかにするという、なかなか興味深いテーマに挑んでいる。本紙読者にも目を通した方はいると思うが、報告内容をどのようにとらえただろうか。

同調査は飲食店ウェブサイトを運営する「ぐるなび」とタイアップして、ぐるなび加盟店16万2,000店を対象に行ったという。結果的に有効回答は400店になったものの、調査規模としては大きいといえよう。

しかして肝心の調査結果はというと要するに、外食業態にとって個店レベルでインバウンドはあまり影響がないし、外国人旅行客を取り込むためのメニューも特に考えていない店がほとんど――というものだ。調査によれば、来店客に占める外国人比率について「2%未満」が5割以上を占めた。「10%以上」は6%に過ぎない。4割近くが「この3年で見ると外国人の来店が増えた」としているものの、客のうちでせいぜい数%に過ぎないのだから、大多数の飲食店(主に単独店か)がインバウンドの恩恵を享受していない状況にあることははっきりしたといえる。

今春のトーホー展示会の際にトーホーフードサービスの淡田利広社長は記者会見で「インバウンドは外食にはあまり貢献していないが、ホテルの朝食には需要がある」と述べている。この言葉を裏付けるような調査結果となった。

名給の伊達誠執行役員大阪支社長も外食については「ホテル朝食向けが引き続き順調」と述べている。トーホーの展示会では「THE 朝食」と題して、外国人旅行客の増加に対応したホテルバイキング向け商品を紹介したが、メーカー各社の今春の新商品を見ても、ホテル向けをメーンターゲットとした新商品が散見されるところだ。

味の素冷凍食品と日東ベストはカット済みケーキなどデザート類を、テーブルマークは冷凍パンとデザート類のほかバンケットメニューとして「ビーフストロガノフ」を提案している。マルハニチロもパウンドケーキのほかホテルビュフェでも重宝される点心を品ぞろえし、ケイエス冷凍食品は「ホテルビュフェ向け」商品として「万能素材つくね」を発売した。

「インバウンドの影響ははかりづらいが、少なくともホテルの朝食は皆が食べる」。確実な狙い目となっているのがホテル業態であることは間違いない。ただそこに集中すべきというだけではない、ヒントが調査報告から読み取れるのではないだろうか。

報告書後半には10店舗の訪問面談内容が掲載されている。外国人客がよく注文するメニューや冷凍食品の利用方法など数項目について記してある。

それによれば、冷食はポテト、枝豆、そら豆――などすぐに提供できるメニューとしての利用が多いことがわかる。一方、外国人客向けに、冷食でベジタリアンやハラール向け調理品を要望する意見が複数あった。すなわち緊急時に対応できる冷食の強みを外食店で活用している状況があり、来店頻度が少ないからこそ、インバウンドにおいて緊急的に冷食が今後貢献できる余地もあるということだ。

〈冷食日報 2018年4月9日付より〉

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