〈インバウンド見据え外食を強化、個店開拓も〉
日本水産の今期ここまで(4~5月、6月一部)の業務用冷凍食品売上高は、前年並で推移。18年度の売上計画は2~3%増を目指しているところ、大手CVS統合の影響も多少あるという。

松島和浩執行役員食品事業副執行業務用食品部長営業企画部担当(=写真)は、今期の方針として「売上高もさることながら、収益を忘れず、良質な売上げを増やすことが課題。水産資源価格や、為替のリスクを考えた上で行動していく。収益確保では、価格改定は最後の手段であり、歩留まりや生産性の向上といった地道な改善を進めていく」という。

得意先ルート別では、「(主に中食に注力した)昨年よりも外食に目を向けたい。外食といっても幅広いが、インバウンド需要・オリンピックに向けたメニュー・商品の組み合わせ提案が一連でできる仕組み作りに取組む。チェーン店との取組みはもちろん、業務用卸との連携による個店、ホテルの開拓も強化したい」とする。

カテゴリー別では引き続き重点8大カテゴリーとして▽水産揚物類▽クリーミーコロッケ▽中華(シューマイ・春巻)▽鶏加工品▽すり身製品(冷凍ちくわ・お魚ソーなど)▽グラタン・ドリア▽枝豆・農産▽調味エキス――を強化。「1つに特化するわけではなく、自社工場生産、販売で強いルートを持つことから歴史もある8カテゴリーを挙げ強化している」という。

今春の新商品では惣菜を意識した「ジャンボたらカツ(スキンレス)170」、皮と具材のバランスを良くした「本格中華10品目の具材の春巻」、最近力を入れている鶏製品「若鶏香味竜田揚げ」などが好発進。

また、2020年までの新中計の中でも業務用冷凍食品は収益カテゴリーと位置づけられており、その中では農産品、調味エキスに力を入れる。さらにスナックカテゴリーで、既に取組むたこ焼きの他、現在は休止しているお好み焼きも、人手不足の中で中食需要拡大を見込んで検討する。

生産面では、枝豆で台湾・大明食品の新工場が既に完成しており、来年2~3月ごろまでに移管する予定。「現在の工場がフル稼働だが、出荷も好調でなんとか在庫を貯めなければ移管が難しく、当初予定よりスケジュールが後ろ倒しになっている。なお、投資は前中計内でのものとなる」という。今期、ほかに大型投資は予定していないが、直営の安城工場でシューマイのラインを増設する計画。

〈17年度業務用冷食は実質前年並確保も水産原料高騰に苦心〉
17年度業務用調理冷凍食品売上高は、前年比2.1%減370億円、農産冷凍食品は9.0%増102億円(うち約50%が業務用)。数量ベースでは業務用調理冷食が3.2%減(※本紙算出)、農産冷食が9.0%増(同)だった。

松島部長によれば「業務用調理冷食は減収だが、下期に大口のメニュー改定で特注がなくなった影響があり、その影響を除くと概ね前年並」だという。

「一言で言えば、水産原料が厳しくその対応に追われた年だった。主力商品はさまざまにあるが、当社はやはり水産原料を使うものが多く、全体的に原料価格が上昇。特に主力のイカ唐揚げは2度にわたり価格改定せざるを得ず、値ごろ感ある価格帯から外れてしまったために数量が落ち込み厳しかった。調味用エキスで使うカツオ、クリーミーコロッケのベニズワイガニなども原料価格高騰に悩まされた。今現在もそれらの他、米、すり身の価格が上昇しており厳しい状況が続いている」と言う。

17年度の施策としては、業態別提案、特に中食分野を重点分野とし、商品作りから販売まで強化。ベーシックな商品のブラッシュアップの一貫として、17年春にクリーミーコロッケを刷新し、2倍増と成功を収めた。「イカ唐揚げがない中、他の商品で補えたことは結果的によかった。また、人手不足を補う商品を目指して開発し、一定のご支持を得ている」という。

〈冷食日報 2018年6月27日付より〉
・日本水産3月期連結決算は増収営業増益も食品事業はコスト増で増収減益
・日本水産17年度、単体冷食で2.9%増931億円、うち家庭用5.7%増
・将来目標は「売上高1兆円、営業利益500億円」/日本水産的埜社長 台湾・大明食品新工場稼働は10月
・〈凍菜リレー月報〉日本水産、枝豆シェア圧倒的No.1へ足固め 品ぞろえ拡充 EUホウレン草、国産ケール