〈メディケア・デリカ・インバウンド強化〉
マルハニチロの18年度の業務用食品ユニットとしての数値計画は、売上高50億円増1,228億円、営業利益4億円増23億円を計画。ユニットの組み換えがあったため、この数字を前期と単純比較はできないが、中身としては増収増益計画。

利益面では、自社工場の稼働率向上と、昨年値上げしたものの寄与もあり、増益を計画する。

今期からスタートした4カ年中期経営計画(中計)では、市販・業務含めた冷凍食品と、メディケア(介護食)を重点分野としている。4月1日付で業務用食品ユニット長に就任した大西宏昭執行役員業務用食品ユニット長兼業務用食品部部長は、業務用冷食の中での重点分野はメディケア、デリカ、インバウンドだとする。「メディケアはまだパイが小さいが、将来大きくなることは確実で、きちんと特化して対応し、将来に備えたい。

また、外食は波があるが、デリカはCVS、量販店ともにコンスタントに伸びると見て、組織も新設して取組むところだ。

インバウンドについては、今年の訪日外国人は3,300万人ペースであり、来年、再来年には4,000万人も見えてくる。

当社では、インバウンド対応の中で、ひとまずホテルバイキングに絞って、人手不足対応に向けたパンフレットを作成し、営業面で活用している。〈1〉省エネ・省力〈2〉簡単調理〈3〉おいしさ長持ち(経時変化対応によるロス率軽減)――といった3つのテーマで、自然解凍、ワンクック、デザート、本格中華の赤坂璃宮監修シリーズといった商品群とそれを使った和洋中デザートメニューを、マンガも交えて分かりやすく提案している」という。

〈組織変更でCVS統括部・デリカ営業部を設置〉
同社の業務用食品ユニットは、4月1日付で組織変更し、守備範囲が多少変更となった。業務用食品ユニット内にあった戦略販売部が水産商事ユニットに移った。一方、業務用食品ユニット内に新設したCVS統括部は、以前の水産商事ユニット、家庭用のユニット、広域営業部が担当していた分を内包し、業務用食品ユニット内の組織ではあるが、家庭用も含めたCVSとの取引を総括して担当することとなる。ただ、家庭用商品の売上高は家庭用の各部門に付ける。大西ユニット長は「CVSは業務用・家庭用の境目が分かりづらく、多くの部門が少しずつ対応するよりも得意先から見て分かりやすい組織体制とした」という。さらに、従来あったCVSデリカ営業部から、量販店惣菜部門を独立させ、デリカ営業部を置いた。

関連会社では、ヤヨイサンフーズ、マルハニチロリテールサービス、デリカウェーブ、サングルメ、N&Nフーズ(タイ)が業務用食品ユニットの傘下。

生産面で、大西ユニット長は「マルハニチロ単体で見ると自社・関連工場での比率が前年比1、2ポイント増えて53%ほどになったが、比率をすこしずつでも高めたい。設備面では、当社が49%出資する中国の浙江興業で工場を刷新し、(マルハニチロへの出荷は一部だが)キャパが40~50%も上昇した。また、ここ2年で大江工場のチャーハン、麺類の設備を増強し、まだ増やせる体制となった。自社工場比率を高めることで、営業利益率を高めることにつながる」という。

商品面では、重点商品に鶏製品も入れ、育成する方針。大西ユニット長は「天然の魚類は採れないとどうしようもなくなる。たとえばあじフライは、10数年前は4,000トンほどやっていたが、今は1,000トン台になっている。魚価がどんどん上がる中で、売れる売れない以前にお客様が使えなくなってしまっている。たとえばヨーロッパのあじ原料は価格が3倍になってしまっているが、鶏肉は上がっても2割位だ。魚中心のメーカーとして魚製品は大事だが、鶏肉もうまくミックスして取組みたい」と語る。

〈冷食日報 2018年7月3日付より〉

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