イギリスで日本酒、アメリカで日本茶のプロモーションを展開/JFOODO

酒類飲料日報 2018年4月4日付
昨年4月1日付で日本貿易振興機構に設置され、日本産の農林水産物・食品のブランディングの為にオールジャパンでの消費者向けプロモーションを担う「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」だが、酒類・飲料関係では、英国で日本酒のプロモーションを、米国では日本茶のプロモーション活動を大々的に行っている。

〈現地の食と合わせてシンプルに提案/日本酒〉
まず同団体の大泉裕樹事務局長が「事業として最も進んでいるものの1つ」と話すイギリス(ロンドン)での日本酒のプロモーションでは、「いつ、どのタイミングでどういった日本酒を飲めばいいかわからない」という飲食シーンでの選ばれにくさと、好みの味の選びにくさが問題にある。その問題を解決すべく日本酒と「キーディッシュ」を提案するウェブサイト「FOOD AND SAKE」(https://foodandsake.com/)を立ち上げた。現地でも一般的に食べられている寿司や生牡蠣に加え、イギリス人の「国民食」とも言えるフィッシュアンドチップスや、スペイン料理のカラマリ、チーズやプロシュートと言った「おつまみ」的な食べ物と日本酒の相性を提案。「~の為の」と言う意味の「sake」と掛け、「どの料理がどういった特徴を持っているから、この日本酒と合わせると美味しい」ということを明確にわかりやすくシンプルに解説し、商品を紹介。最終的にはそのマリアージュを楽しむことができる飲食店の予約サイトに誘導する、というシステムだ。

現在はイギリスで展開しており、SNS 上の広告に加え街頭広告、日本酒のイベントでも同サイトへ誘導し前述のような提案を実施。同様の働きかけを他国でも展開する予定。

また、ここで紹介されている商品は全てイギリス国内で取り扱われているものであるということが前提となっている。「輸出を始めるところからであればまずJETRO までご相談を」と大泉事務局長。また今回の取組については「こちらで分かりやすくシンプルに商品の情報提供と提案を行うことで、メーカー側は広告宣伝費を大幅に抑えながら現地でのプロモーションを行うことができる。“空中戦”はこちらで任せてもらい、“地上戦”の様な現地のインポーターなどへの営業活動について余裕ができる分積極的に行ってほしい。まだまだ掲載する日本酒については受入中。ぜひとも連絡をお待ちしている」とメリットを解説した。

なお、今後日本産の「クラフトビール」(アメリカ向け)や「日本ワイン」(欧米、アジア向け)についてもプロモーションを仕掛けていくとしている。

〈精神的機能性を前面に訴求/日本茶〉
緑茶のプロモーションについては既存の訴求ポイントである健康機能性(肥満防止効果やがん予防効果など)に加え、リラックス効果や集中力増強効果といった「精神機能性」を訴求。アメリカでは若い世代を中心に日本由来の「マインドフルネス」(宗教色を抜いた瞑想のようなもの)が流行しており、若い世代の間で利用頻度が高いEC を中心に、日本茶を「マインドフルネスビバレッジ」として訴求するプロモーションを展開。「FIND A BETTER MIND」をキャッチフレーズとし、緑茶の精神機能性を視覚的にわかりやすく表現すると共に、「煎茶」「玉露」「ほうじ茶」「番茶」「玄米茶」「抹茶」の特徴と合う料理を解説するウェブサイトを立ち上げた。同ウェブサイト内ではEC サイトへのリンクも用意されており、日本茶の購入も可能となっている。

現在は西海岸のロサンゼルスでの展開となっているが、今後は東海岸、中西部にも範囲を広げ、地域に合わせたプロモーションを実施していく予定だ。

〈酒類飲料日報 2018年4月4日付より〉

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