――前期(3月期)を振り返って

数量、金額ともに97%で着地した。清酒業界の平均的な実績で芳しくなかった。昨年は特に9月までのマイナスが響いた。改正酒税法の動きがあった中で、店頭での販促が停滞した。ただ、9月以降はキャンペーンの展開を含めて「まる」群に力を入れたことで盛り返し、秋口は前年対比で見ても良かった。

重点商品である4合瓶の「特撰 白鶴 特別純米酒 山田錦」と「特撰 白鶴 大吟醸」は季節・期間限定で積極的に商品展開を行い、それなりに貢献はした。初めて実施した4合瓶での消費者キャンペーンは応募者も予想以上であり、かなり手応えがあった。

甘酒は120%と好調だ。「白鶴 乳酸菌の入った甘酒」は発売2カ月ほどでそれなりの広がりがあった。柱としてまだまだ広げていく。業務用は厳しい状況が続いている。業態は多様化しており、居酒屋業態だけではなく、大吟醸をワイングラスで提供するなど、飲み方、飲ませ方によって、洋風の店でも日本酒の扱いは増えてきている。「FOODEX JAPAN2018」で提案を行った日本酒ベースのカクテル的な飲み方も今後は積極的に提案していきたい。

――今期の方針について

「まる」群が中心となる。ブランド力には自信があるので、大容量だけではなく、中小容量を含めてきめ細かく提案していく。それをベースに4合瓶群の積極的な販促を続ける。

春夏の新商品「白鶴 大吟醸 GREENEDITION」は、特定名称酒のカテゴリーでこの切り込み方はいいと、バイヤーからも評価してもらっている。大吟醸や純米酒の中容量瓶ユーザーにも健康を気にする人は必ずいる。糖質オフでも飲み応えとコクがなくならない工夫を施している。オンザテーブルで映えるデザインも好評だ。狙いを理解してくれているところでは採用に結びついている。

「日本酒でマリアージュ」はチャレンジ商品だ。日本酒は食との相性について、提案書や店頭POP でも提案を行っているが、商品そのもので特化した商品はなかった。あえて300mlの小容量で手に取りやすくした。主婦を中心にした女性に対してのアプローチを意識した容器、容量、デザインで発売した。パックだがオンザテーブルでも問題ないデザインだ。大量飲酒ではなく、おいしい料理と合わせて、グラスに注いで飲んでもらえればと考えている。秘蔵酒と大吟醸をブレンドした特徴のある酒質で、2品同時の採用パターンが多い。これまではワインのように、日本酒を惣菜売場に置いてもらう関連販売の提案を行ってきたが、各売場の担当バイヤーが異なることもありなかなか実現しない。日本酒でマリアージュと表記しているだけで、酒類の売場での存在感があり、差別化ができている。売れ筋の「まる」も同じ容量でラインアップしたので売場を確保したい。

吊り下げ什器も用意しており、場合によってはエンドの吊り下げも可能だ。もちろん惣菜や寿司の売場などで関連販売されることが望ましく、ミニグラスの商品を置いてもらう提案も行っていく。

――業務用の対策について

「生貯蔵酒」は発売35周年となり、5月から限定デザインにリニューアルする。また、720ml瓶を数量限定で発売していく。現在は300ml瓶と180ml瓶のみだが、店頭での販売もユニット単価からするとお得になる。業務用でも十分使ってもらえるサイズだ。期間限定ではあるが、販路を広げていくチャンスだ。

生貯蔵酒ブランドナンバーワンの座を維持し、再拡売を図る意味で業務用に対しても力を入れていく。飲みやすく、根強いファンの人が多い。生貯蔵酒で常温流通でき、品質面でも安全安心な商品であり、他社と差別化できる提案を行い、採用を目指していきたい。

――海外展開は

輸出は順調で、前期も2ケタに近い伸びだった。海外については、これからも大きく伸びることが期待できる。

〈酒類飲料日報 2018年5月16日付より〉

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