1月の牛肉需給展望 年明け後は末端需要不振も、卸の在庫少なく枝肉価格は堅調 、和去A5は僅かに下げも、和去A3や交雑は12月並み維持へ

12月の和牛の出荷頭数は、概算(日々のと畜頭数の積上げ)で18.3%減と大きく前年を下回った。確定値で修正されるにしても1割近く減少したと見られる。末端では、野菜の高騰で牛肉の鍋需要が不調で、ブランド牛が引っ張る和牛の上位等級は上昇したものの、A3以下は11月を下回る結果となった。また、高値の和牛からのシフトにより交雑去勢のB3が上昇した。

1月の見通しは、年末にかけての季節的な相場高から、各社が在庫を絞り、年明けは上位等級だけではなく全体的に在庫が薄いため、12月に比べても底堅く推移している。末端は切落しなどが売れるのみで決して好調ではないものの、相場は1月ながらほぼ12月並みの高値を維持すると見込まれる。12月は和牛A5など上位等級を除き下げ傾向が明らかになっていたが、ここでいったん足踏みする状況が見込まれる。

なお、16年12月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)は、和去A5が前月比62円高の2,977円、A3は23円安の2,433円となった。交雑B2は10円安の1,455円と下げたが同B3は103円高の1,759円まで上昇した。これは和牛の代替として使用するため、よりサシの入った3等級に買いが集中したためと見られる。なお、乳去B2は3円高の1,040円だった。